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からだ・美容

人間は変化に弱い生き物…コロナ禍でPMSが急増!? 心の浄化作用をもたらす行為とは

公開日:  /  更新日:

著者:フェムテックtv・小嶋 美樹

教えてくれた人:山名 裕子

苦悩や悩みを口に出すことで心の浄化作用になる

意識的に人と話す時間を日々の中に設けることが大切(写真はイメージ)【写真:写真AC】
意識的に人と話す時間を日々の中に設けることが大切(写真はイメージ)【写真:写真AC】

――他にもコロナ禍での日々で、女性たちを苦しめるストレス要因の一つになっているのが「会話の減少」だそうですね。

山名先生「心理学的には『カタルシス効果』と言うのですが、苦悩や悩みを口に出して言うことで、それがたとえ直接的な解決に至らなかったとしても心の浄化作用になる、という考え方があります。しかし、コロナ禍によりビデオ通話での授業や在宅勤務になったことで、誰かと会話をする時間がぐんと減ってしまっているのです」

――学校や会社で友人や同僚と何気なく話していた時間も、実はストレスを軽減させるためには重要なポイントだったのですね。

山名先生「これまでちょっとした心のモヤモヤや負の感情は、日常生活の中で誰かに聞いてもらうことで、知らず知らずのうちに解消されていました。ところが、今は何気ない会話の機会が減ったことで、心に蓄積してしまっている女性も多いのです。

 同様の悩みを相談されるクライエント様に対して、私はカウンセリングの際に『話せる相手を見つけていきましょうね』とお話ししています。必ずしも対面でなくてもいいので、ビデオ通話でも電話でも、意識的に人と話す時間を日々の中に設けることが大切です」

――ただ、中にはわざわざ時間を作ってもらってまで、自分の悩みや心の内を人に聞いてもらうことを心苦しく思う女性もいるのではないでしょうか?

山名先生「そうなんです。日本人は、『自分のことで人に迷惑をかけてはいけない』と思い込んでいる人が非常に多いように感じます。あえて相手に時間を取ってもらってまで、自身のモヤモヤした気持ちを話すことに抵抗がある人は、心のケアの専門家に話を聞いてもらうのも一つの手段です。

 電話相談に応じているカウンセリングオフィスもありますし、感染症対策がきちんとなされている相談所や産婦人科に気分転換を兼ねて足を運んでもいいでしょう。専門家をもっと気軽に頼ってほしいなと思います。

 PMSの症状から来る気分の浮き沈みを我慢し続けた結果、うつ病を発症してしまうこともあります。PMSの心の症状に苦しんでいる女性の中で、『最近、人との会話の機会が減ったな』と思い当たる人は、意識的に人と話す時間を設けるようにしてみてください」

フェムテックtv
株式会社ツインプラネットが運営するフェムテック情報共有サイト。《毎日をイキイキと、自分らしく過ごす》ため、《自分のカラダについての“知らなかった”をなくす》ことを目的に、女性の健康に関するコンテンツを公開している。

(フェムテックtv・小嶋 美樹)

山名 裕子(やまな・ゆうこ)

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。「やまな mental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。山名裕子プロフィール