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エリザベス女王即位70周年を「みそ」でお祝い 宮崎の老舗企業が大抜擢

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・西村 綾乃

英国の名門誌から取材 “UMAMI”として認知が拡大

「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー・フード」掲載ページ【写真提供:早川しょうゆみそ株式会社】
「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー・フード」掲載ページ【写真提供:早川しょうゆみそ株式会社】

 5年に及ぶ早川さんの奮闘劇を知った英国の旅行雑誌「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー・フード」から取材依頼が舞い込んだのは昨年末。思いもよらないことに驚いたが、すぐに快諾した。今年3月に、伝統的な技法を守る企業として報じられた。

「小さな田舎の企業が、世界の一流品が紹介される雑誌に取り上げられたことに驚きました」と目を丸くする。2013年に日本の伝統的食文化である「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、うま味が“UMAMI”として海を渡り広く認知されるようになったことも追い風になった。

 同誌の記者は、日本の九州から世界に伝統食を伝える同社の気概に打たれ、エリザベス女王即位70周年を記念する式典のオフィシャルパートナー企業に推薦。英国の歴史や王室についての書籍などを出版している出版社、「セント・ジェームズ・ハウス」(英ロンドン)が制作するアートブック「Strive for Perfection:Platinum Jubilee Edition」に名を連ねることが決まった。

「アートブックでは、世界で最も優れた食品の一つとして『umami・so』が紹介されます。ヘンリー王子が婚姻した時にも記念本を作成した由緒ある出版社で、王子を取材したロバート・ジョブソンさんからインタビューを受けました。来年6月にロンドンで開かれる式典にも招待されています。世界中のセレブリティに『umami・so』を楽しんでもらえれば」と胸を膨らませる。

エリザベス女王のためのみそを開発中

ところてんを生産する商店として設立した同社。職人たちの熱意は今も生き続けている【写真提供:早川しょうゆみそ株式会社】
ところてんを生産する商店として設立した同社。職人たちの熱意は今も生き続けている【写真提供:早川しょうゆみそ株式会社】

 大学在学中に海外市場の動向を肌で感じようと米国に留学していた早川さん。来年6月に控えている初の渡英を心待ちにしている。

「現在、エリザベス女王陛下のため、石のような塊の特別な『みそ』を考案中です。カツオ節のようなイメージで、料理を仕上げるスパイスとしてお皿の上で削って楽しめるようなものがいいかなと。中にはパルメザンチーズなどを練り込んで、地層のようにグラデーションを作りたいと思っています。地層のようなデザインに、僕らが守ってきた伝統を表現したい」

 エリザベス女王も舌鼓を打つかもしれない「umami・so」。日本国内での販売は、昨年秋に開始。「ハーブソルトやトリュフ塩のように振りかけたり、肉の下ごしらえに使ったり、さまざまな場で味わってほしい」とおすすめしている。12月3日(金)までは、クラウドファンディングサイト「マクアケ」で3種を提供(「ローストガーリック&ハーブ」、「梅肉&柚子」、「カリーミックス」。応援価格は税込2996円~)している。詳細はプロジェクトページで確認を。

(Hint-Pot編集部・西村 綾乃)