からだ・美容
「生理が嫌だ」と繰り返し口にすると心は…コロナ禍の月経不順と月経痛 対処法は?
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教えてくれた人:山名 裕子
どのような手助けが必要なのか思い切って話をしてみることが大切
山名先生「長引くコロナ禍のストレスに、運動不足や生活環境の変化も重なり、月経痛やPMSの症状が以前よりも強く出るようになってしまった人もいるかもしれません。そんな時には無理をせず、休息を取ることが大切です。
ただ、月経の痛みには個人差があり、それを人と比べることもできないので、苦痛を我慢し続けてしまう女性も少なくないのではないでしょうか。日常生活を送るのも困難なほどの痛みを抱えていても、『女性はみんなつらいのに、自分だけが月経痛で休むわけにはいかない』と、休息を取ることに抵抗感がある人も多いように感じます」
――確かに、月経痛の度合いは人と比べることができないので、どこまで我慢をすればいいのか難しいなって思ったりします。
山名先生「その場合は、周囲の人に月経痛のつらさをきちんと共有することも大切です。例えば会社の人や家族に自分の症状やつらい周期、どのようなサポートが必要なのかを、きちんと言葉にして伝えることから始めてみてください。
日本社会には月経について話すことがはばかられる風潮がありますし、男性には月経の経験がありません。月経の痛みの度合いに個人差があることすら知らない男性もいるでしょう。知らないために女性と寄り添えないでいる男性もいるはずですから、どんな症状があり、どのような手助けが必要なのか、思い切って話をしてみることが大切です」
――我慢がストレスになり、さらに症状が悪化する悪循環を生まないためにも、周囲の協力を得ることが大切なんですね。
山名先生「その通りです。日本には『耐える美』を良しとする文化もありますが、そもそも女性が月経で我慢を強いられるのはおかしな話ですよね。今は医学が進歩し、月経に伴う痛みや苦しみ、心のモヤモヤをコントロールできる手段も多数あります。
生活様式が変化する中で、知らず知らずのうちに心に大きな負荷がかかっていることを自覚して、“無理をしない”“我慢をしすぎないで人に頼る”ことを心がけてみてください」
今後は女性の問題を「他人事」にしない、家族や社会のサポートにも期待したいですね。
株式会社ツインプラネットが運営するフェムテック情報共有サイト。《毎日をイキイキと、自分らしく過ごす》ため、《自分のカラダについての“知らなかった”をなくす》ことを目的に、女性の健康に関するコンテンツを公開している。
(フェムテックtv・小嶋 美樹)
山名 裕子(やまな・ゆうこ)
1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。「やまな mental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。山名裕子プロフィール