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畑のキャビアこと「とんぶり」 実は栄養豊富な緑黄色野菜 紅葉する植物との意外な関係
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教えてくれた人:和漢 歩実
見た目は魚卵のようでも緑黄色野菜 小さな粒には栄養素がたくさん
“畑のキャビア”と言われ見た目は魚卵のようですが、実は緑黄色野菜。厚生労働省の定義では、可食部100グラムあたりのカロテン量が600マイクログラム以上含まれる野菜を緑黄色野菜としています。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、とんぶり100グラムあたりのカロテンは800マイクログラムと豊富。ちなみに、カロテンは体内で必要な時にビタミンAに変換され、目の健康、皮膚や粘膜の強化と免疫力アップをサポートする働きがあります。
エネルギーは89キロカロリーと低め。腸内環境を整える食物繊維や余分なナトリウムの排出を促すカリウム、貧血気味の人には気になる鉄も含まれています。ビタミンEやビタミンKを始め、妊娠中に必要とされる葉酸が100マイクログラム含まれているのも特徴です。
小さな粒ですが、さまざまな栄養素が含まれています。1食分は20グラムを目安に考えると良いでしょう。
ぷちぷちの食感を生かすおいしい食べ方は?
とんぶり自体の味はほとんどありません。メジャーなのは「とんぶりかけごはん」。シンプルにごはんにのせてしょうゆをかけて食べます。サラダや酢の物、和え物にのせたりするとおいしいですよ。
例えば、すりおろした山芋に混ぜたり、ワカメの酢の物と合わせたり。パスタやトースト、おにぎりの具にもなるツナマヨに混ぜてもまた違った味わいになるなど、料理のアクセントとして、さまざまな料理に合います。
豆腐にのせれば“畑の肉”と“畑のキャビア”の共演に。とんぶりの食感も引き立つ組み合わせです。秋の恵みに感謝しながらいただきたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾