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山芋を調理すると手がかゆくなるのはなぜ? 長芋との違いやネバネバの“正体”は

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ネバネバが特徴の山芋(ヤマノイモ)(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ネバネバが特徴の山芋(ヤマノイモ)(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 山芋をすりおろす時に触ってしまうとなぜ手がかゆくなるのでしょうか? 晩秋から「秋掘り」が店頭に並ぶ長芋との違いは? 今さら聞けない山芋の豆知識を栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

今さら聞けない「山芋」 形によって大きく3つに分かれる

 正式には「ヤマノイモ」と呼ばれる「山芋」は、ヤマノイモ科に属するイモ類の総称です。栽培種の山芋は形によって大きく3つに分かれます。

・長芋:円筒形
・イチョウ芋:イチョウの葉の形に似ている
・大和芋(地域によっては「つくね芋」):握り拳のような球状

 長芋は一年中、店頭で見かけますが、収穫期は春と秋の2回。ちょうど今の時期は「秋掘り」のものが手に入ります。他の山芋と比べると水分が多く粘りが少ないので、すりおろしてとろろにする他、切って和え物やサラダにしてもおいしく、食感も楽しめます。

 イチョウ芋は粘りが強く、食感はなめらか。とろろに最適の山芋と言われています。また、握り拳のような形をした山芋は、関西地方特産の大和芋です。「丹波芋」や「伊勢芋」とも呼ばれ、粘りが強く、濃厚な味わいです。高級料理の食材として使われています。

 また日本の野山に自生している野生種は自然薯(じねんじょ)です。餅のような粘りが特徴で、収穫までには3~4年かかります。最近はビニールパイプなどを使ってまっすぐになるように栽培されているようです。

手がかゆくなるのはなぜ? かゆくならないコツは“酢”を使うこと

山芋をすりおろす時は手で持つ部分の皮はむかずに(写真はイメージ)【写真:写真AC】
山芋をすりおろす時は手で持つ部分の皮はむかずに(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 山芋を調理すると手がかゆくなる時がありますよね。これは皮の近くに含まれているシュウ酸カルシウムが原因とされています。針状結晶の成分で、食べる時は影響しないのですが、皮膚に触れるとかゆみが発生します。

 シュウ酸カルシウムの特徴は酢に弱いこと。もしもかゆみを感じたら、酢をつけてこすり水で洗い流すと軽減されます。指に傷などがある際はしみるので気を付けましょう。

 かゆみは山芋の白い部分を触らなければ発生しにくいので、すりおろす際は手で持つ部分の皮をむかずに行うと良いでしょう。皮をむく際はあらかじめ手に酢をつけたり、キッチンペーパーを巻いたりするのもかゆみを軽減するコツです。