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からだ・美容

冬は夏よりも長く眠るべき理由とは 冬の快眠には重めのかけ布団と温めグッズを

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

教えてくれた人:西谷 綾子

冬にしっかり眠るためのアイテム

 では、冬に長めの睡眠を取るために必要なアイテムをご紹介しましょう。

【かけ布団】
 好みもありますが、何だか体が落ち着かない、どの姿勢でも寝付きにくいという時は、重めのかけ布団がおすすめです。体にほどよい圧迫を感じると、脳の覚醒が収まるといわれています。寝付きにくいという子どもやパートナーにハグをするのと似た感覚です。重めの布団を使うことで、苦しくない程度にぎゅっと強めに包み込んであげるのと同じ効果が得られるわけです。安心感やリラックス感が得られますので、ぜひ試してみてください。

【首を温めるグッズ】
 冬になると、布団と肩の隙間に寒さを感じることもありますよね。その時は、布団をさらにかけるより首元を温めてみましょう。手首と足首、首を温めると体に良いという話をよく聞ききますが、それは首を温めることによって副交感神経が優位になるからなんです。ただし、温めている時はテレビやスマートフォンを見ないことが基本です。

 首の付け根辺りにホットパックなどを当てるのもいいですね。体の力がゆるんでリラックスでき、目や口が潤う感じがしてきます。マフラーやネックウォーマーも使えるグッズです。

 ただし、ギュッと巻くのはNG。質の良い睡眠を得るためには、体が放熱しやすい状態を作ることが大切です。隙間がないと、汗をかいてもその熱を逃がすことができません。首元を温めて眠る時は、ゆるく巻いて放熱できる隙間を作るようにしましょう。

 生地は触って気持ち良いと思う素材を選んでください。リラックス効果を上げることが大切なので、シルクや綿といった種類よりもまず、ご自身が触って心地よく感じるものが一番だと思います。

【湯たんぽやホットパッド】
 神経活動は温めると高まります。このため、副交換神経を優位にするには「副交感神経節」がある仙骨を温めましょう。仙骨の位置は骨盤の中央・背骨の根本辺り。眠る30分前に湯たんぽや電子レンジで温めるホットパッドなどを使って温めると、全身の力がふわ~っと抜けるようにリラックスします。

 湯たんぽやホットパッドのように、時間が経つと自然と冷めるグッズが理想的です。なぜなら、質の良い睡眠には“深部体温が急激に下がる状態”が必要だから。電気毛布や貼るカイロといった温かい状態を長時間保つグッズを使うと深部体温が下がらず、深く眠れなくなってしまいます。

【ホットアイマスク】
 ホットアイマスクなどで目を温めると、体の力が抜けてリラックスできます。眠る直前の時間にテレビやスマートフォンに接すると、交感神経を優位にしてしまいます。その代わりにホットアイマスクなどでリラックスすることで副交感神経を優位にして、脳が眠くなるのを助けてあげましょう。

(関口 裕子)

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

1986年4月4日、鳥取県生まれ。小学校3年生からバスケットボールを始め高校時代にはインターハイ・ウィンターカップ3年連続出場。モデルの仕事でランニングと出合い、2009年から本格的なトレーニングを開始。10年に初フルマラソンで完走し、16年の東京マラソンで3時間1分32秒という自己ベストを記録した。怪我をしないランニングライフを推奨した講習会や、睡眠改善インストラクターの資格を生かした「上手に寝て、健康になる」講演会を開催中。