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BTSの“推し活”はコロナ禍でも勢いを増した!? ファンと専門家が語るその理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

SNSなどで親近感を常に創出し、BTSとファンのエンゲージメントは深まるばかり

 東京大学大学院人文社会系研究科で韓国のポピュラー文化を研究する鄭孝俊さんは、コロナ禍でもBTSのファンが離れていかなかった理由として、3つの要素を挙げます。

「まず大前提として、BTSはコロナ前から“簡単に会える存在”ではなかったということ。ライブに行けずファンが離れるよりも、逆にコロナ禍でBTSというアーティストの商品価値は上がったのではないでしょうか。また、コロナ禍で発売された英語曲はMVの質も格段に上がっており、ストーリー性があって謎解きしたくなる伏線が散りばめられています。

 2つ目は、コンテンツの供給量の多さ。YouTubeやSNSに加えて、WeverseやVLIVEなどで次から次へとコンテンツを配信しており、配信されるとファンがすぐに拡散する、いわゆる“布教活動”をしています。そこで彼らは普段の生活スタイルを惜しみなく見せていますから、近い存在であることにファンは魅力を感じて親近感を持ってしまうのです。

 そして最後は、ファンダムの強さ。BTSがここまで世界的アーティストになった要因の一つとしてファンの存在は大きく、ファン自身もそれを感じている。特にコロナ禍に入ってからは、私たちの生活において不安要素がとても大きかったですよね。それらと戦うためにファンにとってはBTSという存在が必要で、逆にBTSにとってもファンの存在が大きかったのではないでしょうか。

 だからこそ、コロナ禍においてもBTSとファンとのエンゲージメントが途切れることはなく、むしろどんどん強まっていったのではないかと考えます」

“奇跡のグループ”と言われることも多いBTS。彼らのファンであるARMYたちの“推し活”事情はコロナ禍で少し変化が起きましたが、それはどうやらプラスに働いていたよう。その背後には、BTS側からするとARMYたちが“推し”だったという事実があるのかもしれません。BTSはARMYという“推し”を、ARMYはBTSという“推し”をお互いに一方通行ではない方法で尊重して、高めあった結果とも言えるでしょう。

(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)