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杉咲花の魅力は素直さと心の強さにあり 実力派が揃うシリーズに歓迎された理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

(c)2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会
(c)2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会

 今年10月に24歳を迎えた杉咲花さん。「梶浦花」という芸名だった子役時代からご存じの方も多いでしょう。2016年にはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「とと姉ちゃん」でヒロインの妹役を演じて注目を集め、2020年にはついに「おちょやん」でヒロイン役に。演技に対する評価も高く、映画では日本アカデミー賞の助演女優賞などを受賞しています。現在も成長を続ける杉咲さんの新たなステージは、実力派俳優が揃う超人気シリーズ「99.9-刑事専門弁護士-」。そこで披露された演技には、持ち前の素直さと心の強さが見事に実っている様を感じるようです。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。

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力量を持つ演者揃いの「99.9-刑事専門弁護士-」に新加入した杉咲

 日本のドラマは「果敢に挑戦しているな」と最近よく思う。今季も奥寺佐渡子、清水友佳子が脚本を手がける吉高由里子主演の「最愛」(TBS系)、綾野剛主演の「アバランチ」(カンテレ・CX系)などから目が離せない。社会派な一面をエンターテインメントへと昇華させ、幅広い視聴者を得るが、主張もきっちり織り込み、一歩も譲らないからだ。

 松本潤主演の「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)もそんなドラマの一つ。刑事事件において起訴された場合、日本では99.9%が有罪となっているという事実に着目して作られたオリジナルドラマだ。普通は誰も、自分が事件に巻き込まれることなど考えもしないだろう。だが、もし勘違いで逮捕される事態となり、立件され、起訴されてしまったら……。考えるだけでも恐ろしい。

 そんな風にベースはシリアスながら、ドラマは終始スラップスティックかつシニカルな笑いとともに進行する。そのクセになる笑いの“抜け感”に身をゆだねているうちに事件は決着を見る。

 身をゆだねることができるのは、半端ない力量を持つ演者揃いだから。岸部一徳、笑福亭鶴瓶、香川照之、マギー、渡辺真起子。どんなクセ球もプラスアルファで打ち返すことができる俳優陣が、「さあ、どうぞ身をゆだねて!」という空気を醸し続けてくれる。

 ドラマとしてはすでに2016年のSEASON1、2018年のSEASON2が放送されており、今年12月29日(水)放送予定の「完全新作SP 新たな出会い篇~映画公開前夜祭~」も注目を集めている。そして翌30日(木)は映画版『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』の公開日だ。

 そのスペシャルと映画版に、新米弁護士・河野穂乃果として新たに加わったのが杉咲花。現在放送中の「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ)の主演俳優としても素晴らしい演技を見せる。