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交通機関などでのカスハラ 「土下座の強要」が多い業種は? 2万人が回答したリアル

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「大声、長時間、早朝や深夜なども関係なし、正義を振りかざす」

 では、被害内容の具体例はどのようなものでしょうか。「最も印象に残っている迷惑行為」は「暴言」(49.7%)が1位に。次いで「何度も同じ内容を繰り返すクレーム」(14.8%)、「威嚇・脅迫」(13.1%)と続きました。寄せられた自由回答からは、迷惑行為の傾向を知ることができます。

「悪質クレームについて、どの人にも共通しているのは、大声、長時間、早朝や深夜なども関係なし、正義を振りかざすなどが多いです。私達の仕事は、どうしても運行を優先(他のお客様をまき込めない)ため、本当は警察を呼びたいと思っても、あきらめてしまうことが多いと思います」(バス関係)
「過去2回暴力行為を受けているが一度目は警察へ通報依頼するも110番されておらず、緊急性が低いとして捜査がされず、結果泣き寝入りした。二度目は上司から受忍義務があるとされ取り合ってもらえなかった。いずれも旅客のマナー違反、危険行為を端とする暴力であるが、泣き寝入りするしかなかった」(鉄道関連)
「ICカードが使えない時にそのことを威圧的になじられ、バスを蹴飛ばされたことがあります。1人で何名ものお客様を対応しているので、変わったお客様がいるとやはり精神的に疲れます」(バス関係)

 迷惑行為を行なっていた利用者の話し方や言葉に関する設問(複数回答可)では「大声を上げる時があった」(22.5%)、「一方的に話をしていた」(18.7%)、「攻撃的な話し方や言葉があった」(13.9%)、「威圧的に話をしていた」(13.6%)と続いています。先の設問にあった「男性」「50代」「対面」「20~24時」という結果から考えると、ストレスが大きな引き金になっているとも考えられますね。さらに、迷惑行為の内容で業種別の傾向としては、以下の結果が報告されています。

○暴力行為:鉄道、タクシー
○SNS・ネット上での誹謗中傷:鉄道、トラック、バス
○土下座の強要:鉄道、バス、タクシー
○金品の要求:タクシー、観光業

 この中でクレーム対応中の様子を撮影しての威嚇や、ネット・SNSでの誹謗、盗撮などは、現場における新たなストレスになっているそうです。自由回答には、個人の尊厳や肖像権を訴える声もありました。

「ここ数年、SNSを利用した誹謗・中傷が多く、写真を撮られることもあります。社員である前に、1人の人間として個人の尊厳が守られていないと感じます」(鉄道関係)
「名札など名前が分かるものを身に付けていると、SNSに投稿される恐れがあります。ネット上などで誹謗・中傷を受ける可能性があり、イニシャル表記などにすることでリスク回避するマニュアルを整備すべきだと思います」(バス関係)
「クレーム対応をしている際に、写真を撮られるケースが増えてきており、至近距離で顔写真を撮られた経験があります。写真を消すように言うこともできず、泣き寝入りするしかありません。YouTubeなどで検索をかけてみると、乗務員の作業姿が盗撮されているというケースは非常に多いです。また、そういった盗撮映像・画像は、消されることなく放置されているので、働く人の肖像権を守ってほしいです」(鉄道関係)
「お客様からの盗撮や、呼ばれる際に臀部や腰を触られることが多々あります。同僚との会話の中で、同じ経験をしている者が10名近くいました。会社として対策を講じることもなく、泣き寝入りしている状態です」(航空関係)