仕事・人生
気になっていた“苦手分野”で起業 東大卒女性が自身の経験から立ち上げたサービスとは
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東京大学を卒業後、外資系企業2社で“バリキャリ”の道を歩んでいた市原明日香さん。仕事と並行して結婚と出産を経験しますが、働き方を変える大きなきっかけは長男の大病発覚でした。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットライトを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。今回は「自身の半生ではどうしてもうまくいかなかった」というファッションで起業し、パーソナルスタイリングサービス「Let Me Know」(現在の「SOEJU personal」)を立ち上げた市原さんの後編をお届けします。
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バリキャリでスタートした社会人生活から一転、起業した理由
東京大学を卒業後、外資系の総合コンサルティング会社「アクセンチュア」と、仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」でカスタマーリレーションシップマネジメントに従事し、キャリアを積んできた市原明日香さん。結婚と出産を経て、長男の大病を機に起業という形で働き方を変えました。
2014年12月、パーソナルスタイリングサービス「SOEJU personal」をスタート。「大学時代から会社経営というものには何となく興味があった」という市原さんは、なぜ起業という道を選んだのでしょうか。
「アクセンチュアにいた頃、本当に仕事をしすぎて、まったく服装にかまえなくなってしまいました。その時、『ちょっと忙しい女性の服装を助けてあげられるような、そこに行けば何とかしてくれるという場所があったらいいのにな』っていう、ビジネスの種があったんです。それが自分の中で発火したのかなと思います」
最初に立ち上げたのは、そんな女性たちのクローゼットの中からシーンに合ったスタイリングを提供するパーソナルスタイリングサービス「SOEJU personal」でした。
「お客様がお手持ちのお洋服を写真で登録していただくと、それに対してプロのスタイリストが『こういう組み合わせが良いですよ』『こういう新しいものを追加すると、こんな風に着こなしの幅がもっと広がりますよ』と、組み合わせを画像で提案するサービスです」
今でこそ当たり前に思えるサービスですが、スタート当時はまだ“サービスそのものにお金を支払う”という価値観があまり根付いていませんでした。
「パーソナルスタイリストは当時、本当に一部の方しか使われていないサービスだったと思います。特に画像でのコーディネート提示は、ネット上にもそういったものがたくさんあります。世の中にも無料のコーディネートがたくさんあふれているので、そこに価値を見出していただくのはなかなか難しかったですね」