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仕事・人生

2022年も要注目の濱田マリさん “安定感”を感じさせる理由は「歳のせいもあるのかな」

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

実家はクリーニング店 「カムカム」がちょっと特別な現場だった理由

――ご実家がクリーニング業を営まれていたと伺いました。

 バンドでデビューするまで、父が経営するクリーニング屋さんを手伝っていました。父とするクリーニングの仕事は本当に楽しかったです。家では何もしない父が、お店ではかわいらしいクリーニング屋のおっちゃんとしてパキパキ仕事する姿も見られたし。

 デビューのため辞めることになった時は、とても心残りでした。でも父に「マリちゃんはみんなのために歌うべきや。うとてる(歌っている)マリちゃんを見たいわ」って言われて。「カムカム」でクリーニング屋さんという空間に身を置けただけでも、あの時の心残りを少し回収させてもらっているような気がしています(笑)。

――実体験が具体的に反映されている部分はありますか?

 これは言ったら怒られるやつですが、「カムカム」では村田さんに父を重ねたり(笑)、図々しいですけど、るいちゃんに昔の自分を重ねたりしました。だってるいちゃんは当時、私が思っていたことを言葉にするんですよ。「洗濯物を見るとそのお客さんの生活が少し分かる。そう思うと汚れた服も愛おしい」って。

 これ本当なんです。洋服をきれいに仕上げて渡すとみんなすごく喜んでくれるのもうれしかった。そういう意味でも「カムカム」はやっぱりちょっと特別な現場だったかもしれませんね。

――村田雄浩さんとは「生きて、ふたたび 保護司・深谷善輔」(NHK)でもご夫婦を演じられていますね。

 そうなんです。「生きて、ふたたび」は、春から初夏にかけて撮影をしていました。「カムカム」は8月末から10月の2か月間。だから春からずっと夫婦なんです(笑)。ちょっと面白い。

 どちらの作品でも村田さんは私の尻に敷かれるポジションを演じてくださって。それでいて私のお芝居を全部受け止めてくださるので本当に助けられました。「ここ、こうしようね」なんて話し合ったことも一回もありません。皆さんが言ってくださる「安心感」「安定感」はそのままそっくり村田さんにお渡ししたい言葉ですね。