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仕事・人生

濱田マリさん「昔の方がお節介おばちゃんだったかも」 理想とする人との関わり方は

著者:関口 裕子

濱田マリさん【写真提供:パパドゥ】
濱田マリさん【写真提供:パパドゥ】

 NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、登場した途端にその“安定感”がSNSで大きな話題になった濱田マリさん。その他にも、素顔の濱田さんが持つ人間的な魅力が大きく反映された役を数多く演じています。そこで「Hint-Pot」は、2022年に注目すべき“憧れの50代女性”として濱田さんにフォーカス。今回の後編では、コロナ禍での撮影で覚えた罪悪感や復活のきっかけ、近頃のお仕事などについてお伺いしました。

 ◇ ◇ ◇

「果たしてエンタメって必要なの?」にまで行き着いた時期も

――「カムカム」の和子さんに「安心感」「安定感」を感じ、自分自身も救われたと感じた視聴者の方は結構たくさんいるように思います。コロナ禍の今、皆さんそれぞれに不自由を感じ、それぞれの理由で人生の不具合を経験されている。みな漠然と「誰かが自分のことを支えてくれたらいいな」と思う時代に、竹村夫妻の優しさはしみるなと。

 確かに。一昨年、昨年と暗い状況が続き、みんながつらい気持ちを抱えているように思います。ストレスを感じながら過ごす中で、1日15分間でも熱中して観ていただけると聞くと、私も本当にうれしいです。

 私の撮影が始まったのは、8月1日でしたが、ちょうどその時、新型コロナウイルスの流行状況もなかなか厳しい状態になっていました。もちろん撮影自体は慎重に対策を講じて行うわけですが、罪悪感というか、ちょっと言葉にしがたい感覚があったんです。皆さんが行動を制限している時期に撮影に入ることの罪悪感というか、エンターテインメントは“不要不急”なのかとか。

 そんな風に感じていたことも、皆さんからの温かい感想や励ましのおかげで吹き飛びました。大阪編に入ってストーリーも明るくなって、少し幸せな気分になっていただけた。日本全国の皆さんが、私たちの大切なるいちゃんを、親戚のおっちゃんやおばちゃんになって励ましてくれる。

 本当は今日のことをちょっとだけ予想していたのかもしれません。だから、その日のためにも撮影を頑張ろうと決意できたというか。本当に怖かったので。

――本来は罪悪感を感じる必要はないのでしょうが、何となくそう思ってしまう気持ちも分かるような気がします。

 特に2020年はこれまでに経験したことないような社会状況になって、これもダメ、あれもダメとなった時に「果たしてエンタメって必要なの?」というところまで行き着いてしまったんですよね。

「私たち何もできへんやん」って。生きるためには食べなきゃいけないけど、「私たち何かできていますか?」ってすごく思ったんです。私たちが何かやったところでまったく腹の足しにはなりませんから「うーわ、いらねーわ」って思ってしまった。

 一方で個人的な話ですけど、コロナ禍で見始めたアイドルのオーディション番組には、一視聴者としてずいぶん力をもらいました。最初の段階からずっと固唾を飲んで見ていたんですよ。若い男の子たちが夢に向かって進む姿。それを国民プロデューサーという名のもとに毎日投票する。そして、ついにその子たちがデビューした。めっちゃ力をもらえました。

 その時に「エンタメはやっぱり必要だな」と思いました。人間は食べなければ生きていけませんが、同時に心の栄養も絶対必要。私たちは多かれ少なかれそれを供給しているんじゃないだろうか……そのためにもやるべきだと初めて思いました。

 オファーをいただき、台本を読んで、撮影に行く。今まで当たり前のようにやっていたことの一つひとつの行程に感謝して、一つひとつの仕事を大切にする。キャストさん、スタッフさんとの一期一会の時間をより一層楽しめるようになりました。

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