仕事・人生
濱田マリさん「昔の方がお節介おばちゃんだったかも」 理想とする人との関わり方は
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「ヘルプ!」って言われたら「はい。助けますよ」というスタンスが理想
――『明け方の若者たち』では、訪れる学生を絶妙な距離感で受け入れる沖縄料理店のオーナー役。ここでも主人公を支える役を演じられました。
あの沖縄料理の居酒屋さんは小説にも書かれていて、実際にあるお店なんです。私はカウンターの中で、目の前に座る北村匠海さんとお芝居をさせていただきましたが、「むっちゃかっこいい~」と思いましたね(笑)。「北村匠海や~」って。口にするのは我慢しましたけど(笑)。きっと「かっこいい」とか、「好きです」って言われるのも辟易しているでしょうから(笑)。
私が粗相をしないように手綱を引いてくれているのはうちの娘です。若い人の気持ちを代弁してくれるというか。いつも「そんなこと言ったらウザイだけだからね」と辛口の助言をくれます(笑)。
――でもモダンチョキチョキズの時は、今の北村さんみたいな形で「マリちゃんや~!」と思われていたわけじゃないですか?
え、誰がですか(爆笑)。でも、もしそうだとしたらどっちの気持ちも分かるわけで、それが備わっているのならば、とてもうれしいです。
――来たる未来に期待と不安の両方を抱きつつ、立ち向かおうとしている“若者たち”を、店のカウンター越しに見守るオーナーはこれまた頼れる存在に見えました。どんな気持ちで演じていらっしゃったんでしょうか?
「ぜひ読んでください」って言われたらもちろん読みますが、普段は原作を読まない派なんです。読んでしまうと役を固定してそこから出られなくなってしまいそうなので。もちろん脚本は読んでいるので彼らの過去と未来は何となく知っている。
でも、オーナー自身は学生時代の北村さん、社会人になった北村さんと定点でしか知りません。であればあのオーナーとしては「久しぶりやん。以上」で、「どうしたん?」でも、「元気ないじゃん」でもない。触れてほしいというように、心の隙間を開いていたら少し触れるかもしれませんが、人の心に無理に立ち入ることは絶対しないだろうなと思います。
人との関わりって「ヘルプ!」って言われたら「はい。助けますよ」というスタンスが理想。現実の私も無理に介入することはないですね。そういう意味では昔の方がお節介なおばちゃんだったかもしれません。今はある程度、人と距離を置くのがお互いにとってベストだと思っています。
「カムカム」の和子がやったのはまさにそれのような気がします。「助けて!」って言われた人に、「よしゃ!」って。お芝居の中で思いっきりそれをやったので、助けられた気分を思いっきり味わってください。
(関口 裕子)