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正月明けの「七草粥」 現代栄養学の視点からもメリットあり? 栄養素を徹底チェック
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教えてくれた人:和漢 歩実
「春の七草」に期待される栄養とは ビタミンなどが実は豊富
七草粥で使う「春の七草」は、早春にいち早く芽吹くことから「邪気を払うもの」とされ、古くから無病息災の願いが込められてきました。
現代栄養学の視点からも、寒さが厳しいこの時期に「春の七草」を食べることはメリットがあります。粘膜を強くして、ウイルスの侵入を防ぐといわれるビタミンA(βカロテン)と、ウイルスの抵抗力を高め、撃退して治癒力を高めるといわれるビタミンCを多く含む食材だからです。
「春の七草」に古くから期待されている健康効果や栄養は、次の通りです。
○セリ
皮膚や粘膜の健康に役立つβカロテン、免疫力や回復力をサポートするビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維が含まれています。また、鉄や葉酸も含まれているので、貧血が気になる人に。香りが高く食欲増進にもつながります。
○ナズナ
βカロテン、ビタミンC、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維が、セリよりも豊富に含まれています。食材だけではなく、生薬に用いられることも。また、果実の形が三味線のバチに似ていることから「ぺんぺん草」とも呼ばれています。
○ゴギョウ
ミネラルなどが豊富といわれ、古くから咳や痰、のどの痛みの緩和に用いられてきました。御形(おぎょう)、母子草(ははこぐさ)とも呼ばれます。
○ハコベラ
苦味が少なく食べやすい食材です。薬草としては、腫れや痛みをやわらげたい時などに用いられ、止血や利尿の作用も期待されてきました。「ハコベ」とも呼ばれます。
○ホトケノザ
「仏の座」と書き、葉の丸い形が仏様の台座のハスの花に似ていることが名の由来です。正式名はキク科のタビラコ。高血圧の予防や胃腸の働きを整えると考えられてきました。
○スズナ
カブのことです。根の部分はビタミンCやカリウムが比較的多く、また消化酵素が含まれています。栄養価は葉の方が高く、βカロテン、ビタミンC、葉酸やカリウム、カルシウム、鉄、食物繊維も豊富です。生活習慣病の予防や便秘が気になる人は摂取したい食材の一つでしょう。
○スズシロ
こちらは大根。胃腸に優しく二日酔いの時にも良いでしょう。根の部分にはビタミンC、カリウムなど、また消化酵素も含みます。栄養価は葉の部分の方が高く、βカロテン、ビタミンC、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維も含まれています。