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老後資金蓄えるには「敵を知ること」 税理士・板倉京が教える計算方法とは
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老後に備える必要額と不足額を計算する
第1回のテーマは「敵を知る」こと。どんなことでも同じですが、不安解消の第一歩は敵を知ることから始まります。見えない敵(=老後不安)を怖がっているだけでは、何の解決にもなりません。
老後に対する不安とは、何が不安か分からないこと。「老後にいくらかかるのか?」「そのお金を用意できるのか?」が分からないことに対する不安なのです。そんな老後不安を解消するべく、まずは、老後に備えるためにいくら必要か、いくら足りないのかを見ていきましょう。ぜひ、一度やってみてください!
【老後に必要なお金の計算方法】
1. 「確実に用意できるお金」を書き出す
2. 次に「老後に必要なお金」(65歳から死ぬまでに必要な資金)を計算する
3. 1と2を比べて不足分を把握する
こうすると、ざっくりと老後資金の不足額が見えてきます。この金額が、今から65歳までに貯めるべき貯蓄目標額です。老後の年数は年金受給開始の65歳から90歳までの25年を前提に計算しています。ご自分の受給開始予定などに合わせて調整してください。
1. 老後までに確実に用意できるお金
「現在の貯蓄額」+「退職金(A)」+「相続でもらえそうなお金」
2. 老後に必要なお金
「老後の生活費(B)」+「不測の事態に備えるお金(C)」+「娯楽費・予備費(D)」
3. 上記の2から1を引く=老後の不足額(65歳までの貯蓄目標額)
A:退職金
分からない場合は会社の管理部署で確認できます。「いくらですか?」と聞きにくいなら「モデル退職金の額を知りたい」と聞いてみる方法も。「それもちょっと……」という場合は、以下の厚生労働省のデータ(2017年度に支給された勤続35年以上の定年退職者の学歴・職種別)を参考にしてください(括弧内は2013年度)。
・大学卒(管理・事務・技術職):1997万円(2156万円)
・高校卒(管理・事務・技術職):1724万円(1965万円)
・高校卒(現業職):1627万円(1484万円)
B:老後の生活費
必要な生活費は現役時代の7割程度といわれています。
(必要な生活費-年金額)×12か月×25年
年金額は、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で確認できます。また、日本年金機構の「ねんきんネット」というサイトでシミュレーションも可能です。ちなみに、現在の厚生年金の平均月額は約14万4000円です。
C:不測の事態に備えるお金
病気や介護(差額ベッド代や保険のきかない治療など)、老人ホーム入居、家の増改築、車の購入や子どもの結婚費用など。
D:娯楽費・予備費
旅行・趣味・娯楽などにかかるお金。