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老後資金蓄えるには「敵を知ること」 税理士・板倉京が教える計算方法とは

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

具体例は? 足りないものを”見える化”すると不安が少し消える

 それでは具体例として、先ほどのAさんを見ていきましょう。

<Aさん 女性・42歳>
現在の生活費:約月28万円+住宅ローン(65歳完済予定)

1. 「老後までに確実に用意できるお金」
・退職金:1800万円
・現在の貯蓄額:100万円
・相続できそうな金額:1000万円
=確実に用意できるお金:合計2900万円

2. 「老後必要になるお金」
・老後の生活費:(生活費20万円-年金14万円)×12か月×25年=1800万円
・不測の事態に備えるお金:1000万円(マンションのリフォームも考えて)
・娯楽費・予備費:40万×25年=1000万円(年に1度は海外に行きたい)
=老後必要になるお金:合計3800万円

3. 「老後の不足額」
・2から1を引いた金額=900万円

 このように、Aさんは65歳までの23年で900万円を貯めることが必要になります。年間約40万円です。いかがでしょうか。足りないものを“見える化”することで、不安が少し消えていきませんか?

 次回からは、この足りない部分を補うために必要な節約や資産の運用など、具体的な話をしていきたいと思います。

(板倉 京)

板倉 京(いたくら・みやこ)

1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。