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東大寺の僧侶と同じ薬湯を自宅でも 誕生の経緯と中身に歴史がぎっしり 誕生の裏側は

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著者:Hint-Pot編集部

幼なじみの関係から古参企業まで 地元のつながりと歴史が総結集

 当時に東大寺の幹事長を務め現在は「長老」の筒井寛昭さんは、辰巳さんの同級生でした。そうした古い友情もあり、薬湯を開発する話はスムーズに進んだそうです。

中学時代に辰巳さんと同級生だった東大寺の筒井長老。気さくなお人柄が魅力的!【写真提供:辰巳裕さん】
中学時代に辰巳さんと同級生だった東大寺の筒井長老。気さくなお人柄が魅力的!【写真提供:辰巳裕さん】

 実際の開発にも、地元のパワーが結集。含まれている生薬はすべて地元産、販売は1887年創業の古参企業「薬王製薬株式会社」(奈良県磯城郡)が担当しました。そしてもちろん、使用されている生薬にも歴史が存在します。

「現在の修二会で用意される薬湯は『天真』とほぼ同じ配合です。含まれている薬草は正倉院に保存されている『種々薬草帳』に記されているもので、開発にあたって生産企業がそれら薬草の成分を研究しました。もちろん100%天然成分。医薬品外部の認証も受けています」(辰巳さん)

 成分として表記されている生薬は、日局トウキや日局センキュウ、日局オウバクなど8種。また、効果と効能は冷え性や神経痛、腰痛、リウマチ、肩のこり、打ち身、しもやけ、疲労回復などがずらりと並びます。まさに歴史に裏打ちされた“薬”の中に入る正真正銘の薬湯というわけです。