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事故で四肢障害も「生きていて良かった」 美馬アンナさんも驚く東京パラ銅メダリストの思考
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頭から落ちた時点で「これは車いすになるのかな」と考えた
アンナ:大学生の時、トランポリンの練習中に頭から落ちて頸髄を損傷し、車いすに乗るようになったそうですね。事故後はしばらく精神的にもつらかったのでは?
倉橋:大怪我でしたが、そんなにドーンと落ち込むことはなく「あ、やってもうたな」と(笑)。
アンナ:え~!
倉橋:首を怪我したら危ないとは聞いていたので、頭から落ちた時点で「これは車いすになるのかな」と。ICU(集中治療室)で意識が混濁している時も「大学の練習場に行く時は階段を上らなくちゃいけないけど、誰かにおんぶしてもらえばいいのかな」とか、そんなことが頭の中にありました。
どのくらい筋肉が残っているのか、どのくらい動けるようになるのかは、のちに自分が動き始めてやっと分かることでした。でも、何とか動くことはできたし、車いすには乗れる怪我で済んだので、生きていて良かったなと。友達もたくさんお見舞いに来てくれたので、病院では毎日楽しく過ごしていました。
アンナ:すごいですね、そのメンタルの強さは! ポジティブなのは生まれつきなのでしょうね。
倉橋:いやいや、めちゃくちゃネガティブですよ。「もうあかん」ばかり言っています(笑)。
アンナ:まったく想像がつきません(笑)。
倉橋:どういうわけか、怪我をした時は大丈夫でした。技に入る瞬間、「失敗した。回避しないと」と思い、どうにか頭から落ちないように体を動かそうとしましたが、自分の上下が分からないまま、頭から先に落ちて首の骨を折ってしまいました。
自分が技を失敗した結果だったし、命を落とさなかったのは体操やトランポリンで首回りが鍛えられていたおかげ。折れてしまったものは仕方ない。体を動かすのが好きだからリハビリが苦になることもなく、体操やトランポリンで新しい技を覚える感じで、少しずつ何かができるようになることを楽しめました。
アンナ:いや、すごいとしか言いようがないですね。