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油揚げの“油抜き”はなぜ必要? カロリー低減のメリットも 確実な方法は茹でること

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

古くから親しまれる油揚げ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
古くから親しまれる油揚げ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 いなり寿司やみそ汁の具材、煮物などさまざまな料理に使われる油揚げ。調理の際に下ごしらえとして「油抜き」をすることが多いですが、そのメリットとは一体何なのでしょうか? 古くから日本の食卓で親しまれてきた油揚げについて、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

なぜ油抜きをするのか 大きなメリットは2つ

 油揚げは、薄く伸ばして水分を切った豆腐を油で揚げたものです。古くは豆腐を日持ちさせるための知恵とされ、江戸時代の頃には庶民の間に広まったといわれています。大豆を原料としているため栄養価が高く、良質なタンパク質が豊富。全国にはご当地油揚げが存在するなど、広く親しまれている食材の一つです。

 調理の際には、まず湯を通して油を取る「油抜き」をすることが一般的です。理由は諸説ありますが、昔は古い油で揚げていたため臭いが気になり、油抜きをしていたことが受け継がれているとの見方もあります。

 現在は新しい油を使っているので、臭いが気になることは少なくなりました。しかしながら、油抜きをすると時間が経過して酸化した油を取り除けるので、調理前に少しだけ手間をかけてみてはいかがでしょうか。油抜きのメリットは2つあります。

【油抜きのメリット】
1. 調味料やだしが染み込みやすくなる
 しっかりと油抜きをしてから煮ると、油っぽさがなくなりおいしく仕上がります。

2. 脂質をカットできるためエネルギー(カロリー)を減らせる

 2のエネルギーを減らせることについて、100グラムあたりの違いを日本食品標準成分表2020年版(八訂)で見ていきましょう。

○エネルギー量
油抜きしていないもの:377キロカロリー
油抜きしたもの:266キロカロリー

○脂質
油抜きしていないもの:34.4グラム
油抜きしたもの:23.4グラム

 ただし、油抜きをすると他の栄養価も減ります。たとえばカルシウム(310ミリグラムから230ミリグラムに)、鉄(3.2ミリグラムから2.5ミリグラムに)などです。