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白菜の花も“菜の花”って本当? 菜花の栄養をしっかり摂取するなら茹ですぎNG

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

栄養価は? ミネラルが多い和種、熱に強い洋種

茹ですぎないように注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】
茹ですぎないように注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 菜花の特徴であるほろ苦いような味わいは、抗酸化作用に期待できる苦味成分のケンフェロールと辛味成分のイソチオシアネートです。この他、免疫力をつけたい季節の変わり目に摂取すると良いミネラルやビタミン類などを含みます。

 日本食品標準成分表2020年版(八訂)より、和種と洋種の茹で(100グラム)を比較してみましょう。

○エネルギー
和種:28キロカロリー
洋種:30キロカロリー

○ビタミンC
和種:44ミリグラム(生は130ミリグラム)
洋種:55ミリグラム(生は110ミリグラム)

 茹でた場合、和種は生の1/3の量に、洋種は半分の量になります。洋種の方が熱に強いといえるでしょう。

○βカロテン
和種:2400マイクログラム
洋種:2700マイクログラム

○カルシウム
和種:140ミリグラム
洋種:95ミリグラム

○鉄
和種:1.7ミリグラム
洋種:0.7ミリグラム

 鉄やカルシウムなどのミネラルは和種の方が多く、ビタミン類は洋種の方が多いことが分かります。

栄養を余すところなくいただきたい 調理のコツは?

菜花のおひたし(写真はイメージ)【写真:写真AC】
菜花のおひたし(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ビタミンCは熱にも弱く水溶性です。損失をできるだけ少なくするためにも、菜花は茹ですぎないことがポイント。おひたしにする場合は、ビタミンCを多く含むレモンやユズなどをかけて、鉄の吸収率を上げると良いでしょう。

 菜花にたっぷり含まれるカロテンは、必要時に体内でビタミンAに変わります。脂溶性ビタミンのビタミンAは油との相性が良く、油と一緒に摂ると吸収率が上がるため、油炒めもおすすめです。

 また、ビタミンDを多く含むシイタケなどのキノコ類や魚と一緒に摂るとカルシウムの吸収率を上げます。菜花を食卓に取り入れて、春の訪れを感じながらしっかり栄養を吸収しましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾