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高卒時は大学進学せず…その後に公認会計士試験一発合格した女性の頑丈マインド
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「力不足」感じて大学編入学を決意 独学で早大商学部に入学
初めて「大学進学」の目的を見出した大場さんは、ほどなくして編入学に狙いを定めました。
「大学1年からやり直して、社会人生活を4年も離れることは考えられなかったのです。そして、専門書を読んでいく中で、早稲田の商学部に会計業界で有名な先生方が多いことを知り、『そういう方々から学びたい』と思うようになりました」
目標を一度決めたらぶれない大場さんは、受験先を早大商学部に絞りました。ただ、この編入学試験は一筋縄ではいかないものだったようです。
「合格者は1人か2人で、年によっては0人という試験でした。英語はTOEICの基準点クリアが必要で、筆記試験は経営、経済、会計、貿易などですべて記述式。面接試験も設定されていました」
大場さんは試験の1年前から試験対策を始めました。早大の生協で各科目の専門書とTOEIC対策の参考書を購入。朝5時に起床し、机に向かうのは出勤前です。業務終了後はカフェに直行して、そのまま深夜0時近くまで勉強。土日は朝からカフェや図書館に行って勉強を続けました。
「最初に編入学をしようと思い、ネット検索をすると『独学では無理』と出てきましたが、学費がかかる予備校には行きませんでした。学生になったらアルバイトはせず、学問に打ち込みたい思いがあり、並行して貯金をしていました。カフェや図書館を勉強場所にしていたのは、家だとだらけてしまうからです」
編入学試験用の模擬試験はなく、どんな問題が出るのかも分かりません。そんな中でも、大場さんは夢中で勉強を続け、合格証を手にしました。
「受験対策用の本もなかったので、教授が書かれた専門書を読んでいきました。その年は50人ぐらい受けたそうですが結局は合格できて、『学びたい』と思えるフィールドに立てたことがうれしかったです」
編入で加速した“勉強エンジン” 公認会計士を目指す予備校とのダブルスクール
そして、大場さんの“勉強エンジン”はここから加速します。入学前から「在学中に公認会計士試験に受かる」と決意していたからです。
「3年生に編入学しましたが、単位を履修するには3年間の在学が必要でした。そして、私は公認会計士の試験対策で、予備校の『TAC』にも通いました。1年半のカリキュラムがあり、朝8時から予備校でミニテストを受け、昼は大学の授業。空き時間は図書館にいて、夜は予備校の授業です。土日は予備校の自習室を利用していました。学生生活を楽しむ同級生たちをうらやましく感じましたが、勉強仲間も20人ほどいたんです。そういう存在がいたからこそ頑張れました」
とはいえ、公認会計士試験は「会計学における資格の極み」と呼ばれる超難関。合格のためには、下記の過程をクリアする必要があります。
<第1段階>
○短答式試験(年2回、マークシート)
「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」の必須4科目に合格。
※合格すれば論文試験へ。その後、2年間は短答式試験免除
<第2段階>
○論文式試験(年1回、記述式)
「財務会計論」(簿記、財務諸表論)「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税法」の必須5科目と「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の中から選択1科目に合格。
※科目別合格制度があり、いずれも有効2年間
公認会計士試験合格に要する勉強「3500時間が目安」
学ぶ量が多く、TACの公式サイトによると、合格には3500時間の勉強が目安。1回の試験で合格した「一発合格者」は、平均3664時間だったとされています。しかも、大場さんは「在学中の合格」を目指していたため、予備校で1年半のカリキュラムを終えた後、初めて受けられた第1段階の「短答式試験」は早大4年生の冬でした。
これは通過したものの、5年の夏に初挑戦する「論文式試験」に落ちれば、就職浪人という状況。そのため大場さんは、睡眠を4~5時間にして、起きている時間をほぼ勉強に費やす日々に入りました。
「多くのことを頭に入れるために、勉強のタイムスケジュールを作っていました。集中力は1時間でゆるむと考え、理論の科目を1時間、次は計算で電卓を叩くものを1時間という感じです。基本は目で覚える勉強法で、お風呂にも本や自分で作った要約ノートを持ち込んで見ていましたが、寝る前には『落ちたらさらに1年、社会人生活から離れるのか』と不安にもなりました。ただ、後悔しないように試験直前まで勉強し、『やり切った』という思いで論文試験に臨みました」
早く結果を知りたくても、合格発表は3か月後の11月。勉強の習慣が身についた大場さんはこの間、「宅地建物取引士資格試験」(のちに合格)の勉強に取り組んでいたそうです。そして発表の日、金融庁前の掲示板で確認することもできましたが、「早く知りたい」と思い、先に開示されるインターネット発表を見ることにしました。