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からだ・美容

のどのイガイガや鼻水…「花粉症かな?」と思った時の予防策 新型コロナとの見極め方は

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:辻 晋作

腸内環境を整えることで過剰な免疫反応を抑える

「花粉症に効く食べ物はありますか?」と聞かれることがあります。食事によって花粉症が治ることはありませんが、腸内環境を整えることでアレルギー反応を緩和することが分かってきています。

 腸内環境を整えるには、ヨーグルトやチーズ、納豆などの発酵食品に含まれる乳酸菌を取り入れることが有効です。乳酸菌と一言でいっても実は種類が豊富で、人によって合うものが異なります。例えば、同じヨーグルトを2週間ほど食べ続けてみて、お通じが良くなれば自分に合った乳酸菌だと判断できます。

 乳酸菌は継続的に取り入れることが大切です。食事で摂取できればいいのですが、毎日効率良く取り入れるならサプリメントも良いでしょう。薬ではありませんので、副作用はありませんし、腸内環境が整うことで便通や肌の調子が良くなるので安心して取り入れられます。

花粉症か新型コロナか? 判断に迷った時は

 今までなら、この時期の鼻やのどのイガイガ、体のだるさは「花粉症かな?」と思えるものでした。しかし現在は、新型コロナの初期症状に似ていることから「感染したのでは?」と不安になるかもしれません。

 オミクロン株はのどの痛みが特徴といわれているため、くしゃみや鼻水の症状も見られると、判断に迷うところですよね。ワクチン接種をしている方であれば、微熱程度で済む場合があるのでなおさらです。しかし、慌てる必要はありません。

 医療は、可能性の高いものから疑っていくのが基本です。花粉症か新型コロナか迷った時は、まず下記を判断材料にしてください。

・同居人や職場など身近な人に感染した人がいる場合は、新型コロナウイルスの陽性の可能性がある
・コロナ禍以前から春先になると鼻水や目のかゆみなどの症状がある場合は、花粉症の可能性がある
・透明で水っぽい鼻水が流れ出るなら花粉症、黄色っぽいどろっとした鼻水なら何かしらの感染症にかかっている可能性がある

 目のかゆみや鼻水、くしゃみに加え、微熱や咳き込みがあれば花粉症と断定せずに、積極的に検査を受けましょう。できるだけ人と会わず休養を取ることも重要です。仮に新型コロナだった場合、感染を広げないことにつながります。ただし、急に症状が悪化することがありますので、もちろん早めに受診することが前提です。(注:オミクロン株が主流になっている2022年2月末現在の症状に基づく)

 東京都民の2人に1人が花粉症といわれているほど。目のかゆみや鼻水など症状はつらいものですが、予防と投薬でかなり緩和できます。「症状が出たから」と花粉症や新型コロナ感染の可能性を恐れることなく、正しい対策で乗り切りましょう。

(岩淵 美樹)

辻 晋作(つじ・しんさく)

1974年1月17日生まれ。東京大学医学部卒。帝京大医学部形成外科、埼玉医科大形成外科、東京女子医科大非常勤講師として勤務しながら、28歳で美容医療の「アヴェニュークリニック」開業。42歳で再生医療専門の「アヴェニューセルクリニック」開業。医学博士、日本専門医機構認定形成外科専門医、日本再生医療学会再生医療認定医、「アヴェニューセルクリニック」再生医療統括医師。著書に「あなたを救う培養幹細胞治療」(集英社インターナショナル刊)、「靴の中に入れるだけ2Gかかとインソール」(主婦の友インフォス刊)、「ひざ痛は治る」(秀和システム刊)がある。