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サードウェーブコーヒーの波がフランスにも カフェの本場パリで起こる大きな変化
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カフェ文化の本場といわれるフランス。同国のカフェは単にお茶をする場ではなく、実にさまざまな側面があり人々の生活に根付いています。フランス人にとって、カフェとはどのような場所なのでしょうか。また、時代の移ろいとともに、カフェ文化はパリを中心に新たな動きを見せているそう。現地在住ライターの小川由紀子さんに、フランスのカフェ文化をリポートしていただきました。
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「互助会」活動が盛んなフランス カフェはその仕掛けの場に
フランスでは1月末に、『Adieu Paris』(アデュー・パリ)という映画が公開されました。パリ市内に実在するカフェビストロを舞台にしたこの映画は、そこで知り合った職業も背景も違う8人の男たちが、年に1回のランチ会に集合した様子を描いたもの。
冒頭を除くシーンのほぼすべてがこの店内で展開され、男たちの会話だけが1時間半ほど延々と続きます。誰かがトイレに立つとその人の陰口が始まったり、親の形見のロレックスで女性スタッフを引っかけようとする好色な輩がいたり……。
私の語学力ではすべての会話を聞き取ることはできませんでしたが、フランス人にとってはどれもがパリの“カフェあるある”な光景だったよう。客席からは大きな笑いが巻き起こっていました。
作品に登場した男たちはただの客同士ではなく、俳優で演出家の笈田ヨシが演じる日本人アーティスト「ヨシ」の生活費を全員で工面する縁で結ばれている設定。今でこそ希少になっているようですが、以前はそうした「互助会」的な活動がフランスではよくあり、カフェはまさにその「仕掛けの場」でもありました。
昨年には、カフェのお客さんに新聞を売り歩いているパキスタン出身の男性アリ・アクバルさんを支援する心温まるエピソードがありました。コロナ禍のロックダウンでカフェが閉まり、仕事の場を失ってしまったアリさん。そこで、カフェの常連客たちがお金をカンパして、アリさんに食品の移動販売自転車をプレゼントしたのでした。