どうぶつ
盲導犬候補の子犬を預かるボランティア一家 初めての散歩やお風呂に…ドキドキの連続!
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今年の1月中旬、関東で暮らす古澤さん一家の元に、日本盲導犬協会の日本盲導犬総合センター「盲導犬の里 富士ハーネス」から盲導犬候補のパピー(子犬)がやってきました。一家が挑むのは、パピーの生後2か月から1歳頃までをお世話をするボランティア「パピーウォーカー」。パピーは家族とともにいろいろな場所に出かけるなど、人間と生活する喜びを経験します。そうした中で人間に対する親しみと信頼感を築き、社会や家庭の中で暮らすためのルールを学んでいくのです。
この10か月はパピーたちが将来、視覚に障害のある方との生活をスムーズに送れるようになるための重要な期間です。そのため迎え入れる側は楽しいことばかりでもありません。「Hint-Pot」では、パピーウォーカーに初挑戦する古澤さん一家に密着。ママ・真由美さんにお話を伺いました。
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待望の散歩デビューはママと“2人”きりで
早いもので、ジェニーが我が家に来てから1月以上が経過しました。お迎えした頃のジェニーは体重が4.8キロほどでしたが、今や約9キロ。グングンと成長を続けています。
2月下旬には、ジェニーを連れて散歩ができるようになりました。それまではジェニーを抱っこしながら家を出て、外の環境に慣れさせていたのですが、いよいよアスファルトの上を一緒に歩けることになったのです。
しかし、初めての散歩を予定していた日はあいにくの大寒波でした。小学校6年生の長女と3年生の次女、1年生の長男、3人の子どもたちはやる気十分で待っていたのですが、あまりにも寒くて。日本盲導犬協会の担当者とも相談し、翌日に変更しました。
翌日は天気が良く、子どもたちは学校のため不在でしたが、これならばとジェニーを連れて外へ。ジェニーは初めて自分の足で外の世界を歩くため、おっかなびっくり。ペタンと座ったまま動こうとしませんでした。
家の中で普段遊んでいるおもちゃを見せると、気を取られたのか歩き出したので、そのままお散歩をスタート。家の前の道を数回往復する程度でしたが、初めての散歩は何とか事なきを得ました。その後、初めのうちは家の周辺の決まったルートを散歩していました。今はようやく慣れてきたところで、少しだけ遠くに足を伸ばすことができるようになってきています。
現在の課題は、ジェニーとの散歩がうれしすぎて子どもたちが興奮すると、ジェニーにもその興奮が移って子どもたちを追いかけてしまうこと。また、子どもたちもリードを持ちたがるのですが、リードを持っている人の方にジェニーの意識が向くようにしたいので、安全面とジェニーの学習を考えながら散歩に取り組んでいきたいものです。「盲導犬」になる犬を育てるということは、ただかわいがればいいだけではないのだと、改めて感じています。