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はかなげではない浜辺美波 新たな顔を見せた『やがて海へと届く』が伝える“対話”の重要性

著者:関口 裕子

10歳で現れた“シンデレラ” いち早く“大人”へ押し上げた要素とは

 浜辺美波は2011年、10歳の時に「第7回 東宝シンデレラ オーディション」のニュージェネレーション賞を受賞して芸能活動を始めた。オーディションにチャレンジしたのは母親の勧め。当時は歯科医になりたいと思っていたので、オーディションは度胸試しのような感じだったという。しかし自身の予想を裏切り、オーディションはどんどん上の段階へと進む。同時に、周囲では知らない大人の数が増えていき、そこで初めて恐怖を感じたのだという。

 浜辺が特別賞としてニュージェネレーション賞を受賞した時のグランプリは、1学年上の上白石萌歌。そして審査員特別賞は、中学1年生だった上白石萌音が受賞した。その時、浜辺が少し大きめな赤いハイヒールを履いていた。舞台上を移動するうちにその靴は脱げ、いかにも幼く見えた浜辺は痛々しくもハイヒールを手に持ってステージを降りた。

 その姿はまさに“シンデレラ”。見守る大人たちの目にはそう映ったのだが、浜辺は冷静だった。いや、その状態を冷静に分析しようと努めたのだろう。そして「自分の受賞は保険であり、うまくいかなければすぐに用なしになるだろうと考えた」と言っている。オーディションという時間の中で、その聡明さが彼女をいち早く“大人”へ押し上げたのかもしれない。

2017年の「報知映画賞」では『君の膵臓をたべたい』で新人賞を受賞(浜辺は一番左)【写真:Getty Images】
2017年の「報知映画賞」では『君の膵臓をたべたい』で新人賞を受賞(浜辺は一番左)【写真:Getty Images】

 今年22歳になる浜辺は、小柄で華奢、はかなげで透明感があり、年齢よりかなり若く見える。イメージだけでいえば、主演ドラマ「ドクターホワイト」(カンテレ・フジテレビ系)で演じた、記憶喪失で生活における一般常識はないが驚異的な医療診断力を持つミステリアスな幸村白夜はまさに適役だ。

 菅野美穂と浮世離れした母娘を演じた「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系)も同様だ。浜辺が演じたアニメオタクで漫画家を目指す彼氏のできない娘は、なかなか人間味を持たせにくい役だと思うが、浜辺の醸す空気感がその無理を現実とすることに貢献した。

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