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ドイツには野良猫がいない! 現地サッカーライターが移住後に知った国内の動物保護
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猫が見られなかった理由は国内の動物をめぐる施設と法律
かたやドイツでは、街中で猫の姿を見るのはまれです。でも、それにはれっきとした理由があります。僕は移住直後、ドイツの街中で猫が闊歩していようものならば、すぐさま住民たちが“当局”へ通報して保護されてしまうという話を耳にしました。
おおぅ、“当局”とは一体何なのでしょう? もしや、ドイツ国内に存在する“秘密組織”? ひとしきり慄いた後、これは大変な誤解だったことが判明します。
“当局”とは「ティアハイム」のこと。ドイツ語で「ティア(tier)」は動物、「ハイム(heim)」は家の意で、すなわち「動物の家」ということになります。ドイツ各地には民間の動物保護協会が運営する施設である「ティアハイム」が500か所以上存在し、この施設が動物保護や飼い主斡旋の業務を行っているのです。
ドイツには厳格な動物保護法があり、この国に住む人々はそれに準拠して動物とふれあっています。その一環として野良犬や野良猫を保護する意識が非常に高いのが特徴で、これによって「街中に猫がいない!」という現象がもたらされるのです(ここではドイツでの犬や猫の殺処分の詳細については割愛いたします)。
ドイツペット用品産業協会とドイツペット貿易・産業協会という団体が毎年発行している「ペット白書」の2017年版によると、ドイツで飼育されている犬は約920万匹、そして猫は約1370万匹といわれています。この年のドイツの人口は約8270万人だったそうですから、約17%の方々が猫を飼っていることになります。何だ、ドイツにも猫がいるじゃん!