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「おいしくな~れ!」と思いながら削る 人気かき氷店オーナーが描く未来の夢とは

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

2019年の「ひむろしらゆき祭り」でかき氷を作る岡田さん【写真提供:岡田桂子】
2019年の「ひむろしらゆき祭り」でかき氷を作る岡田さん【写真提供:岡田桂子】

 氷室神社(奈良県奈良市)と出会い、かき氷を通年で提供する「kakigoriほうせき箱」を神社の近くで営むようになった岡田桂子さん。インスタ映えすると評判のカラフルなかき氷は、一さじ口に含んだ瞬間から広がるそのおいしさで、かき氷好きのハートを掴んできました。さまざまな分野で活躍する女性たちの人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。今回は岡田さんの後編として、独創的なかき氷が生まれる過程や思い描く未来についてのお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

“ネタ帳”には無数のアイデア「全部を商品化しきれないくらい」

 通年営業のかき氷店「kakigoriほうせき箱」といえば、スープカップにこんもり盛られたフワフワのかき氷に、まるで泡(エスプーマ)の帽子をかぶったようなビジュアルが話題。でも、全国からかき氷好きが集まる最大の理由は、そのおいしさです。店頭には奈良で育った季節の果物をメインに、常時5~6種類のメニューが。中には午前中で売り切れてしまうメニューもあります。

 シロップまで飲み干せるほどおいしい絶妙な味の組み合わせやカラフルな配色など、新作のアイデアは主に岡田さんの担当。アイデアのヒントは日常のそこかしこにあふれているそうです。

「桜を見たら桜氷したいなと思ったり、アイデアは24時間浮かんできます。スマホにメモしたり、手帳に書いたり。試してみたい組み合わせをたくさん書き溜めています」

春らしい桜の塩漬けがミルクエスプーマに乗った春氷【写真提供:岡田桂子】
春らしい桜の塩漬けがミルクエスプーマに乗った春氷【写真提供:岡田桂子】

 あまり見返すことはないという“ネタ帳”には、「全部を商品化しきれないくらい」と語るほどのアイデアが詰まっているというから驚きです。

 また最近では、お題をいただくことも多いのだそう。例えば、特別な記念日をイメージしたかき氷や、博物館の特別展をイメージしたかき氷、季節をイメージしたかき氷……。難しいチャレンジのようですが、「今までになかったかき氷にたどり着くことが多いですね」と新境地の開拓を楽しんでいます。

 フレンチ、和食、イタリアンなど、かき氷以外の食べ物からひらめくこともあり、「いただいたお食事から学ばせてもらう“研修”と勝手に考えて、食べ歩きをしています」と笑顔で語ります。また、現在の「ほうせき箱」はウェブ予約制。販売は1日最大300食だそうです。

「かき氷1杯を作るのに1分ちょっとかかるので、6時間の営業時間にしゃべる間もなく目一杯氷を削って300杯が限界なんです」

 オープン5年目を迎える今でこそ15人超のスタッフが集まっていますが、岡田さんがすべての氷を削っていた頃は、ノンストップの忙しさに「このまま一生終えるのかなと思うこともあった」そうです。ただ、どんな時でも忘れないことが一つあります。

「『おいしくな~れ!』と思いながら削っています。その思いだけは込めていますね」

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