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仕事・人生

「おいしくな~れ!」と思いながら削る 人気かき氷店オーナーが描く未来の夢とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

一歩踏み出し縁をつないできた岡田さん「楽しい人生を自分で探していってほしい」

 今はまず、一緒に「ほうせき箱」で働くスタッフが仕事もプライベートも充実した時間を過ごせるよう、環境を整えていきたいと語る岡田さん。コロナ禍は職場環境にも影響を与えていて、「休憩時間でもソーシャルディスタンスで離れて座るなど、なかなか話もできないようです」と残念そうな表情です。

「ここへ集まったご縁を生かして、仲間を作ってほしいなと思います。すごく素敵なスタッフばかりなんですよ。学生バイトの子たちは卒業後、就職でそれぞれまったく違う方向に旅立つことが多いですが、ここで生まれたご縁が40歳、50歳になってもつながるといいなと。先日も『結婚が決まりました!』と報告に来てくれた子がいたり、私が東京出張に行く時は東京で就職した子たちに会ったり、私も良い関係をつなげてもらっているので」

スタッフが描いた毎年人気の「ほうせき箱」のかき氷イラストのカレンダー【画像提供:岡田桂子】
スタッフが描いた毎年人気の「ほうせき箱」のかき氷イラストのカレンダー【画像提供:岡田桂子】

 人と人との距離感が変わりつつある今だからこそ、自分から積極的に一歩踏み出した人は得るものが多いのかもしれません。

「興味を持ったらまず飛び込んで、一歩近づくことによって、違う景色が見えるはず。そこから広がるご縁もありますから。楽しい人生を自分で探していってほしいなと思いますね」

 削った氷にお好みのシロップをかけて食する素朴なおやつ、かき氷。かき氷とともに歩む岡田さんの挑戦は、これからもまだまだ続きます。

◇岡田桂子(おかだ・けいこ)
大阪府出身。高校時代に京都で経験した外国人旅行者の観光案内ボランティアから日本文化に興味を抱き、大学で日本文学を学ぶ。茶道や華道を学ぶ中で着物に親しみ、卒業後は呉服店に就職。銀行への転職を経て、30歳を機に健康と食の学びを深めようと飲食業界へ。台湾の「擂茶(れいちゃ)」と出会い輸入販売を手がける中でかき氷と出会う。同時期に氷室神社(奈良県奈良市)との縁がつながり、2014年に実行委員長として「ひむろしらゆき祭り」を開催。これをきっかけに神社近くで共同経営者の平井宗助さんと通年営業のかき氷店「kakigoriほうせき箱」をオープン。かき氷の魅力を広めている。

(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)