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“無理なく続ける” 家庭のフードロスをほぼゼロにした米在住日本人女性 その対策とは
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使いきりを意識すれば調理の幅も広がり、バリエーション豊富に
次のポイントは、「素材や食品をできるだけ使いきり、残さないこと」です。
食材に限らず、すべてにおいて物選びを大切にすると「できるだけ使いきろう」「大事にしよう」という意識が芽生え、愛情が増すことにつながると思っています。野菜やお米、その他の商品でも自分が応援したいと思える農家さんや会社から購入することで、満足感や信頼感がいっぱいに。さらに、感謝のこもったお金の使い方はその企業や活動を応援する力にもなると考えています。
こうした思いで購入した食材や商品をできるだけ丸ごと、または残さず使いきるよう心がけること。皮や根っこ、種や茎までもできる限りすべて暮らしの中で使いきるようにイメージします。その時に使いきれない分が出たり、旬の野菜やフルーツを大量に収穫できたりしたのであれば、長期間にわたって食べられる保存食として大切に保管しておきます。
工夫次第で調理の幅も広がり、バリエーションも増えます。例えば、野菜。根野菜の大根やニンジンは、きれいに洗った後に皮をむき、皮は細切りにして天日干しします。ゴボウもささがきにして一部は天日干し。1週間もすればカラカラに乾き、ビタミンも旨味も増えた状態になります。出来上がった切り干し大根やニンジン、干しゴボウは瓶詰めにして保管しておけば半年以上は持ちます(日本では、そこにおかきや海苔などに付いてくる乾燥剤のシリカゲルの袋を入れておくと湿気よけになります)。
冬が旬の大根は葉付きのものを多めに購入して、葉の部分はみそ汁、茎は塩漬けして漬け物に。残りは干して、皮のまま塩とぬかでたくあんを仕込んだり、塩麹と酢で漬け込みべったら漬けを作ったりします(簡単な塩麹の作り方はこちら)。
持つものを少なく、自分が把握できる量だけを手元に
3つ目は、「収納スペース(冷蔵庫も含む)をできるだけ小さくすること」です。私はミニマリストではありませんが、収納や冷蔵庫のスペースをできるだけ小さくしています(むしろそうではないからこそ、小さくしているのかもしれません)。こうすることで必然的に持つものは多くならず、自分が把握できる量だけを手元に置くことが可能になります。
キッチンの小さな戸棚1つ、そして仕切り棚を保存食用の発酵棚にしていて、常温で保存できるものを置いています。
例えば、微生物の生存しやすい環境を作って育てたものがみそ、しょうゆ、みりん、納豆、マスタード、漬け物など。反対に微生物をできるだけ増やさないような環境を作り、食品の腐敗防止や保存の工夫をしたものが梅干しや乾物だったりします。ちなみに保存の基本は、塩、砂糖、ドライ、アルコール漬け、酢漬けです。
この仕組みは実にシンプルで、保存技術や化学が発達する以前から暮らしに取り入れられてきました。我が家は発酵食品、乾物を自宅で作るようになったおかげで冷蔵保存をする必要がないものも多く、電気代もセーブできています。