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障害児を育てる母2人 美馬アンナさんと元スキー選手がパラ五輪に受けた影響とは
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美馬さんと須貝さんが考える「平等」とは
司会:「ダイバーシティ」という言葉が広まるにつれ、「平等」とは何かを考える機会も増えたと思います。
アンナ:「平等」って考えると難しい。私が考える中で、人に与えられた一番平等なことは喜怒哀楽の感情を持つことだと思います。親として喜怒哀楽をしっかり伝えてあげられるかというのも大切でしょうから、なるべくいろいろな感情を持てる人になるように接しています。
未里:私が考える「平等」は、みんなが同じように挑戦できる機会を持てることです。できる、できないではなく、挑戦する機会があるかないか。実は基本的にダウン症の人はパラリンピックに出場できません。ダウン症をはじめとする知的障害を対象としたクラスがないので、知的障害がある人は「スペシャルオリンピックス」という大会に出場します。
アンナ:そうだったんですね。パラ五輪を見ていても、障害の種類や程度をどうやってクラス分けするかは難しいだろうと感じていましたし、以前対談させていただいたパラ水泳の一ノ瀬メイさん(2016年のパラ五輪リオデジャネイロ大会に出場、2021年10月に現役引退)もその難しさを語っていました。
手がない息子と足のない子が一緒に泳いだら、どちらが速いか。手がない選手だけ、足がない選手だけを集めるわけにもいかないし、クラス分けの難しさはパラスポーツが抱える永遠の課題かもしれません。
未里:本当に難しいですよね。東京パラ五輪の閉会式に登場したダウン症の水泳選手・村井海人くんはご家族と一緒に、パラ五輪でダウン症を対象としたクラスの設立を目指して活動しています。我が家は夫婦でスキーを教えられるので、長男もスキーを通じて同じ活動ができたらいいなと。ダウン症や知的障害のクラス分けは難しいと思いますが、できればパラ五輪、さらには五輪への出場が認められる日が来るといいですね。
アンナ:パラ五輪でも五輪でも挑戦できる競技と考えた時、スキーとスノーボードが思い浮かんだので、息子に教え始めたんです。
未里:そうだったのですね。てっきり野球を選ばれるのかと思っていました(笑)。
アンナ:私は球技が苦手で、教えられるのはスキーとスノーボードだったんです(笑)。息子が違うものに興味を持ったら、それはそれでいいのですが、最初はやはり親がきっかけになりますね。ただ、こうやって未来に向かって夢を描けるのも、長い年月をかけて障害がある方やそのご家族が頑張って道を切り拓いてくれたおかげ。そこにすごく感謝をしながら生きていきたいし、次の世代にもつないでいきたいですね。