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障害児を育てる母2人 美馬アンナさんと元スキー選手がパラ五輪に受けた影響とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

自分が受け取った希望を次の世代につなぎたい…母2人の夢とは

未里:3月に東京・代々木公園で開催された「バディウォーク」というイベントに、息子と一緒に参加しました。ダウン症のあるなしにかかわらず一緒に歩める社会を目指しましょう、というもので、インスタグラムでつながっている方にお会いしたり、ダウン症モデルの菜桜(なお)さんやダウン症タレントのあべけん太さんと一緒に写真を撮っていただいたり。あれだけ多くのダウン症の方と交流するのは初めてでしたが、いろいろな場面で活躍なさっている方、夢を持ってキラキラしている方を間近に見たことが、私には大きな希望になりました。

アンナ:素敵ですね。障害がある子どもたちが活躍する場が増えることは、家族の希望にもなります。

自分のベビーカーを喜んで押す須貝さんの長男レンくん【写真:荒川祐史】
自分のベビーカーを喜んで押す須貝さんの長男レンくん【写真:荒川祐史】

未里:そう思います。スノーボード界のレジェンド、ショーン・ホワイト選手もファロー四徴症という心疾患を持って生まれたそうです。すでに克服しているそうですが、循環器に既往歴がありながらも世界のトップとして活躍された姿には希望をもらいました。

アンナ:ホワイト選手の話は知りませんでした。スポーツを通じて届くメッセージもありますね。私の夫は息子が生まれ、自分がどれだけ恵まれた環境や体で野球をしているかを実感したそうです。そこから「野球に対する取り組みも少し変わった」と話していました。

未里:私の夫は「子どもたちの存在が競技をする時の力になる」と言っていました。後は自慢のパパになりたいそうです(笑)。性格もやわらかくなったようで、遠征に出かけると「早く帰って子どもに会いたい」と言うようになりました。

アンナ:うちも大甘な父親になっていますよ(笑)。息子は今、ユニフォームを着てボールを投げる人はみんな「パパ」と呼ぶので、しっかり自分を認識してもらえるまで頑張って現役を続けると言っています(笑)。

司会:最後におふたりが実現させたい夢を教えてください。

アンナ:私は障害のあるなしにかかわらず、誰もが参加できるスポーツイベントを開きたいと思っています。参加する子どもたちはもちろん、体験するスポーツや講師として参加するアスリートやOBも健常者・障害者の区別なく、みんなで楽しみ、違いを学べる場を作りたいですね。

未里:スポーツは互いに対するリスペクトや他者との関わり方、自分との向き合い方を学ぶきっかけになると、私自身の経験を通じて感じています。だから、障害のあるなしにかかわらず、子どもたちがスポーツを通じて挑戦したり学んだりできるお手伝いをしたいなと。それがイベントなのか教室なのか。今は子育て休業中ですがスキーのコーチでもあるので、子どもたちがハッピーになる何かをしたいと思います。

アンナ:協力して何かできそうですね!

未里:ぜひぜひ!

<終わり>

◇須貝未里(すがい・みさと)
1988年生まれ。秋田県出身。アルペンスキー選手として活躍し、2011年から3年間、日本代表チームに所属。ワールドカップなどにも出場し、2014年全日本選手権ではスーパー大回転での優勝経験を持つ。同年に引退し、コーチやトレーナーとして活動。2019年にスキークロス日本代表の須貝龍選手と結婚。2020年に長男レンくん、2022年に次男コハクくんを出産した。

○取材協力:Roots+Wings Creative Studio

(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)