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どうぶつ

ドイツの新居は「ペット不可」 猫と暮らしたい現地サッカー記者が迎えた第一関門

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

ドイツの新居は「ペット不可」 1年越しに大家と相談

 で、ここからが連載の主題となる“猫”の話です。ドイツの賃貸物件は大家さんがドイツの法律に則って住居条件を定めています。各種項目は束のような書類で入居日に渡されるのですが、そこには管理費や光熱費の分類、賃貸物件面積などとともに、動物飼育の可否も明記されています。

 その上で、僕が入居することになった部屋は「ペット不可」と書かれているではありませんか! あちゃー、これでは猫とともに暮らすことなんてできない。がっくりと肩を落としていると、不動産会社の知り合いが助言してくれました。

「ドイツの場合は条件が明記されていても、大家さんとの交渉でそれが変更になるケースが多々あるので、まずは相談してみたら?」

 よし、あの朗らかなおばあさまにかけ合ってみようと思いつつ、月日が何とはや1年も過ぎてしまうことに。怪しくて拙いドイツ語を使えるようになった僕はある時期、日々の生活で密接なコミュニケーションを深めていた大家のおばあさまに何気なく猫の話題を振ってみました。

僕「僕、猫が好きなんですよ。日本でも飼っていたし」
おばあさま「そうなの? 私は好きでも嫌いでもないけど」
僕「ドイツでも猫を飼いたいと思ってるんですよね~」
おばあさま「やめときなさいよ。猫なんて大変よ。あなたの隣の空き部屋、元々は結婚して家を出た娘の部屋なんだけど、彼女も猫を2匹飼ってたのよ。でも、何度も窓から脱走して大変だったんだから。それに家具もすぐ引っかいてボロボロになっちゃうじゃない」

 僕の部屋は家具付きで、すなわち部屋に置かれている物は大家さんの物なのです。これはやはり、猫を飼うのはダメと言われるかなと思っていたら……。

おばあさま「そもそもあなた、普段は家にいるけど、週末はサッカーの取材だって家を空けるじゃない。半日くらいだけど、その間に猫はどうするの? まあ、私が見ていれば問題はないけど」