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闘病生活から「人間鯉のぼり」のトップ選手へ 競技から学んだ継続の重要さ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

人が乗っても浮いていられる驚異の筋力【写真提供:藤本翔太】
人が乗っても浮いていられる驚異の筋力【写真提供:藤本翔太】

健康志向の高まりで、注目されているストリートワークアウト。公園の器具などを使用した自重トレーニングで、近年では世界大会も催されています。その中でもヒューマンフラッグ、別名「人間鯉のぼり」と呼ばれる技をご存知でしょうか。鉄棒などにつかまり人間の力だけで垂直状態を保つ動きが、鯉のぼりに似ていることからこう呼ばれています。今回は5月5日の端午の節句にちなみ、ストリートワークアウトの普及に尽力し、元ヒューマンフラッグ日本記録保持者である藤本翔太さんにインタビュー。同競技を始めたきっかけや人間鯉のぼりについて詳しいお話を伺いました。

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世界では1.6億人以上の競技者人口を誇る「ストリートワークアウト」

「やねよ~り~た~か~いこいのぼ~り~」という童謡の歌い出しでもおなじみの鯉のぼり。色とりどりの鯉のぼりが風になびいて泳ぐ姿は昔ながらの光景でした。マンションなどの集合住宅で生活する家族が増えるなど、住宅事情が変化した現代ではベランダやテラスなどに飾られる小型のものが主流。それでも端午の節句に合わせて飾られる鯉のぼりは多くの人の目を楽しませてくれます。

こんな伝統的風習を彷彿とさせる技が近年注目を集めています。それが「ヒューマンフラッグ」という両腕で支柱などをつかんで体を真横に浮かせる静止技。旗がたなびくような姿勢になることから、日本では「人間鯉のぼり」とも言われています。

この競技の第一人者として活躍しているのが藤本さん。2018年に初めて見たヒューマンフラッグに衝撃を受け、競技に没頭していきました。

「ヒューマンフラッグは『ストリートワークアウト』という競技の技の一つです。ストリートワークアウトの競技者人口は世界中で約1億6000万人(2016年5月時点)ですが、日本ではまだあまり知られていません。

ストリートワークアウトには大きく分けて2つのジャンルがあります。まずは体操のようなアクロバティックな動きの難易度やパフォーマンス性を競う『フリースタイル』。もう一つは『カリステニクス』と言われる自重トレーニングです。

カリステニクスでは、ストリートワークアウトの4大静止技『プランシェ』『ヒューマンフラッグ』『バックレバー』『フロントレバー』の静止秒数を競います。また、懸垂やディップスでは、加重(腰に錘をぶら下げて行う)して記録を競い合います」

藤本さんは5月1日に行われたカリステニクス大会「Bar Battle of Japan 2022」のヒューマンフラッグ部門で、従来の日本記録(43秒)を4秒更新する47秒という記録をマーク。結果は、日本新記録を出した優勝者に10秒差をつけられて2位でしたが、存在感を見せつけました。

「ライバルの成長が著しく、結果的には完敗でしたが、従来の日本記録を更新することができました。8月の世界大会(WSWSF World Workout Record 2022)や10月の大会に向けて、自分自身をより高いレベルへと成長させながら、記録更新を目指していきたいです」