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お金

家計を良い方向に導く「3つのT」とは 先行き不安な時代に賢くお金と付き合う方法

公開日:  /  更新日:

著者:橋浦 多美

いつか食いっぱぐれる予感から「お金の勉強へ」

あればあるだけ使っていた20代の頃…同期との差に愕然(写真はイメージ)【写真:写真AC】
あればあるだけ使っていた20代の頃…同期との差に愕然(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お金がないと日々ぼやきながらボーナスで補填をし、何とかやり過ごした20代。ある日、会社を辞めてフリーランスになろうと思った時、引っ越し代が捻出できずに困ってしまいました。そこで、同期との世間話中に耳にした衝撃の一言が私の“お金人生”を変えます。

「お金が貯まったので、家を買おうと思う」

 この言葉は私をひどく動揺させました。かたや引っ越し代すら捻出できない貯金ゼロの私、かたや何千万円もの大きな買い物をしようとしている同期。同じ会社、同じお給料、同じ一人暮らしなのにこの差は一体どこから……と心の底から思いました。

 そして、会社を辞めてフリーランスになると、これまで会社が払ってくれていた健康保険や年金などの社会保険料は一体どうする……と問題は山積。その時に漠然とですが、「お金を人任せにするときっと食いっぱぐれる」と思ったのです。

 そこから一念発起して、お金の勉強を始めました。すると気がついたことがあります。お金のことは世の中に広く伝えられているものの、自分が積極的に知ろうとしない限りは「無知」のまま。無知だとどんなことが起こるかといえば、もらえるはずのお金をもらい損ねる、お金は貯まらず気がついた時にお金がない、周りは潤っているのに自分は……といったドツボにはまっていくのです。

貯めたお金に働いてもらう「3つのT」

 お金には感情がありません。感情があるのは使っている私たちです。ですので、お金を貯めるも増やすも失うも、自分の行動がカギ。私たちは普段、働いてお給料をもらいます。そこから家賃や食費などの消費や、余ったら貯める、繰り越すなどの行動が生まれるのです。

 そこでは、私たち人間の怠惰な感情も生まれます。多くの人が家計を管理する際、次のように考えているのではないでしょうか。

「収入-支出=貯める・繰り越すなどの余剰金」

 つまり、「お金が余ったら預貯金しよう」という考えです。いわゆる“たられば”ですね。その感情に負けないためにも、ちょっとだけ順番を変えてみてはいかがでしょうか。

「収入-預貯金に回すお金=支出に使えるお金」

 収入から余った分を貯金するのではなく、収入から先に貯めたい分の金額を引いておく。いわゆる「先取り貯蓄」というものです。

 しかし、近年は金融機関に預けておいても増えない超低金利の状態が続いているので、ある程度まとまったお金ができて預けておいても利息はスズメの涙ですよね。そこで、昔と違って金融機関に置いておくだけではなく、一歩踏み出して“預貯金に回すお金”で投資に挑戦すべきと私は考えます。自分が頑張って貯めたお金を“働き”に出す「かわいい子には旅をさせよう」という考えです。

 その時に必要なものは、余裕のあるお金とお金の知識、そしてしっかりと増やす時間。私はこれを「3つのT」としています。「貯め銭・知識・耐えて増やす時間」です。この「3つのT」で、家計を良い方向に向かわせましょう。