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お金

家計簿で無駄を把握 FPが教える節約の第一歩 賢い活用法とは?

公開日:  /  更新日:

著者:橋浦 多美

家計簿で家計を管理。無駄を省くのに役立てる考え方とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
家計簿で家計を管理。無駄を省くのに役立てる考え方とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 賃金は上がらず物価も上昇……何かと先行き不安な今だからこそ、お金について真剣に考え始めたという人は多いでしょう。ファイナンシャルプランナーの資格を持つフリーアナウンサー、橋浦多美さんによるお金についての連載の第2回目。今回は節約を始める上でキーとなる「家計簿」についてです。その歴史や使い方、最近の家計簿事情などをレクチャーしていただきました。

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節約を始める上で知っておきたい家計簿の重要性

 前回は“他言厳禁”のような雰囲気のあるお金との向き合い方について解説しました。お金には感情がないため、どう使って貯めて、増やすかを決めるのはすべて自分自身です。そこで今回は一歩進んで、私たちが日々使っているお金の管理の部分、主に「家計簿」のお話をしましょう。

 皆さんは家計簿と聞いて、どのようなイメージを抱きますか? 私が真っ先に思いつく言葉は「面倒くさい」です。同じように「面倒で続かない……」と思っている人も多いでしょう。

 日々のお金の出入りは案外多いもの。家計簿では現金購入したものやクレジットカードの支払い、公共料金の口座引き落としなど、収入に対して何にお金を使ったのかをチェックします。

 何百円単位の買い物まで計算する細かい数字との戦いです。細々とした作業が好きでないとつらいですよね。とはいえ、収支をしっかり把握できると家計が劇的に良くなるという成果もあります。

100年以上!「日本の家計簿の歴史」

 まず、家計簿はいつから始まったのでしょうか? その歴史をさかのぼると、登場は明治時代の1904年。婦人之友社が発行したもので、創案者は日本における女性初のジャーナリスト、羽仁もと子さんといわれています。

「家庭経済の第一歩は、清らかな収入の道をはかり、良い費目分けの予算を作り、各費目の予算に照らし合わせて、日々の支出を貴重してゆくことです(以下略)」という創案者の言葉が残されています。つまり、明治にさかのぼっても今とやることはほぼ変わっていないということが言えるでしょう。

 その後、大正、昭和、平成、令和と4つの時代を超え、その間に複数回の戦争を経てもなお、家計簿の存在は薄れることがありませんでした。そして時代の流れに合わせ、手書きのものからパソコンのソフトやスマートフォンのアプリなどに形を変えています。家計簿は常に家計管理の中心で存在感を発揮している重要なツールなのです。