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マグロ大好き“ツナ娘”が語る郷土愛 水産業界に飛び込んだ20代女性が挑戦する町おこし
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YouTube「ツナ娘チャンネル」を開設した那智勝浦への思い
最近のYouTubeチャンネルでは、地元・那智勝浦を紹介する動画も配信している脇口さん。大学進学から10年も地元を離れていた間、地元への思いに変化はあったのでしょうか。
「10年間も離れていても、とにかく地元が好きすぎて(笑)。ここは同級生のほとんどが大学進学を機に大阪か東京に出ていくような土地ですが、地元を離れた人たちの中でも、私は3か月に1度ぐらいのハイペースで戻ってきていました。大阪に出て地元への思いに変化があったというよりも、『地元ってほんまにええとこなんやな』と再認識しましたね」
その心境を例えるなら、「大阪で生活している時は景色がグレーですけど、地元に帰ってきたら目の前がパッと開ける」ような感じ。地元で上手にリフレッシュしながら、大阪での仕事に励んでいたそうです。
また地元が好きすぎるあまり、友人にもその良さを知ってもらいたいと一緒に帰省。そのあふれんばかりの“地元愛”が今のYouTubeにつながっているのです。そんな那智勝浦の良さは、「何といっても空気感!」と脇口さんは胸を張ります。
「言葉で表現するのは難しいですが、本当にゆったりとした空気で時間の流れもゆっくり。勝浦ってすべてがコンパクトにまとまった町なんです。勝浦駅を中心に、例えば温泉に行きたい、ごはんを食べたいと思えばどちらも歩いて行ける距離にある。もちろんホテルも徒歩圏内だし、遊びに行くにも同じ。全部がコンパクトで海にも山にも川にだって行ける。すごく過ごしやすいし、居心地の良い町です」
そんな脇口さんだからこそ、「那智勝浦を知ってもらいたい」という強い思いを持って家業を手伝うことに。当初は始めるつもりも顔出しするつもりもまったくありませんでしたが、キャラクターを売っていくなら必要なことだと判断し、YouTubeチャンネルへの出演を決意したのです。
「始めはちょっと試験的に、例えばマグロの写真だけをSNSに載せたり、宣伝とかをやったりしていたんです。そんな中で、例えば自分も含めて人の写真を載せると、アクセス数が上がりました。そこでマグロだけを見せるよりも、マグロを扱う人や生産者の顔に興味があるのかなと分析したんです。そうして行き着いたのが、顔出しのYouTubeでした」