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仕事・人生

マグロ大好き“ツナ娘”が語る郷土愛 水産業界に飛び込んだ20代女性が挑戦する町おこし

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

自身の役目を「開拓していくような役割」と自認

 ようやく慣れて「抵抗もなくなった」と語るYouTubeチャンネル。自身で動画編集も行い、試行錯誤の末に現在では戦略的に企画を考えて制作しているそうです。

「正直、どんなものがよく見てもらえるのか、最初は見当もつかなかったので、とりあえず思いついたものを撮ってみるところから始めました。そこから少しずつ戦略的に考えるようになり、例えば売り出したい商品がある時はそれを絡めた企画を考えるようになったんです。

 今は『マグロを見るためにYouTubeを見る人ってどんだけおるんか?』と考えた時に、『それならマグロよりも、旅行先として“那智勝浦”で検索する人の方が多いのでは』とか、いろいろと考えながらブラッシュアップしているところです」

妹分の“ツナ妹”とYouTubeの撮影をする“ツナ娘”こと脇口さん(左)【写真提供:脇口みづほ】
妹分の“ツナ妹”とYouTubeの撮影をする“ツナ娘”こと脇口さん(左)【写真提供:脇口みづほ】

 現在は脇口さんの“妹分”である“ツナ妹”も入社。頼もしい妹分の存在が、脇口さんを後押ししてくれています。「今までとはまったく違うフィールドで開拓していくような役割を担っている」と自身について語る脇口さんですが、改めて伝えたいのはどんな思いなのでしょうか。

「一番のゴールは、大好きな地元・那智勝浦を元気にすることです。小さい町ですが、マグロで成り立ってきた町。ただ、マグロの漁獲高も年々減ってきて、それに伴って仲介業を閉めてしまう会社も多かったりします。また、陸の孤島といわれるぐらいアクセスが悪く、和歌山県といってもなかなか出てこない町でもあります。

 そんな那智勝浦をまずは多くの人に知ってもらいたい。知ってもらって、来てもらって、そこで脇口水産のマグロももちろんですが、那智勝浦のおいしいマグロを食べてもらいたい。そのきっかけになれるような役割を担えるよう、YouTubeもこれから引き続き頑張っていこうと思っています」

 脇口さんは以前、高いキャリア志向を持ち大阪でバリバリ働いていました。現在は「実のところ苦しいことの方が多い」と苦笑いを浮かべますが、ゼロからのスタートをどこか楽しんでいるようにも見えます。

「イベントなどをやりきった後は、会社員だったら感じられない経験、達成感があります。正直、日々は苦労の連続ですが、それでも今の自分の方が『何か生きているな』っていう感じがしますね」

 日本人が大好きなマグロで地元・那智勝浦を盛り上げたい。脇口さんの本気が、きっと地元を元気にしてくれるはずです。

◇脇口みづほ(わきぐち・みづほ)
脇口水産の社長を務める父の長女として、和歌山県那智勝浦町で生まれる。大学進学を機に大阪府に転居し、卒業後も大阪の企業に就職。高いキャリア志向を持ち仕事を続けたが、20代後半の頃にコロナ禍での環境変化を目の当たりにして一念発起。家業を手伝うために退職し、現在は脇口水産の営業部広報課に所属。社長業は長男の兄が継ぐ予定だが、父への恩返しとして兄妹で家業盛り上げに注力。大阪と那智勝浦を往復する2拠点生活を送りつつ、脇口水産や那智勝浦の広報活動に勤しんでいる。

(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)

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