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宝塚ファンに衝撃を与えた電撃婚の真相 元星組トップスター稔 幸さんが語る舞台裏

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

インタビュアー:竹山 マユミ

峰さを理さんを見て感じた「歌える舞台人になりたい」という思い

今も素敵な立ち姿を披露する稔 幸さん【写真:荒川祐史】
今も素敵な立ち姿を披露する稔 幸さん【写真:荒川祐史】

竹山:歴史と伝統を引き継ぎながら100周年を迎えた宝塚は、また進化しているように思います。稔さんにとって宝塚というのはどういうものですか。

:やはり第二の故郷ですよね。ずっと輝き続けてほしい夢の世界。もちろん良いことばかりではありませんでした。涙もありましたし、葛藤もありました。でも、今となっては、笑い話。大好きな舞台に立てることが幸せでしたし、やはり楽しかった。思い出はキラキラしています。

竹山:宝塚のOGの皆さんのイベントも数多くありますよね。

:どんどんOGが増えていきます。怖いですね(笑)。

竹山:皆さん、ああいうイベントなどではすごく盛り上がっているのが分かります。その中で、今も年功序列みたいなものはあるのですか。

:もちろん。私たちの年功序列は基本です。

竹山:素敵な規律のある世界ですね。

:それがあるから保たれているというのはありますよね。辞めてからは、気にしなくていいよと言ってもらえる機会も多々あるのですが、ふとした時はすぐに(入団順で)並べる感覚があることが、絆となって残っているのかなと思います。戦前から引き継がれてきて、今も華やかな世界として残っている。やはり唯一無二の世界だと思います。

竹山:これからの夢など、お聞かせいただけますか。

:今は乗馬を一生懸命に頑張っていて、いつか競技に出るくらい技術を上げたいなと思っています。後は、やはり絵を描くことが好きなので、そんな芸術の世界でも何か一つ、展開できたらいいと思っています。

竹山:OGの方とのトークショーやコンサートなどにも積極的に参加されていますね。

:先日も安奈淳(星組・花組元男役トップスター、51期)さんのバースデーコンサートに伺いました。宝塚95周年記念のイベントの時にご一緒させていただいた時は、お体が悪かったのですが、今は回復されて最高に輝いていらっしゃる。そのお姿に心が震えました。そして、私もうかうかしてられないなって。もっとやれることはあるなって思いました。

 今の自分がステージで歌ったり語ったりすることで皆様が幸せを感じてくださったり、笑顔があふれるのであれば、そういう機会を作っていきたいなと思っています。

竹山:昨年亡くなられた峰さを理(星組元男役トップスター、58期)さんの追悼チャリティコンサートも近づいてきました。峰さんとの思い出はたくさんおありですよね。

:そうですね。峰さんは、私が星組に配属になった時のトップスターさん。背格好が似ているということで、舞台では替え玉を2回させていただいたことがあるんです。そういうご縁もあって、ありがたいことに研1(入団1年目)の頃から厳しくも温かくご指導いただきました。

 足袋のサイズも一緒でしたから、峰さんが特注で作られた足袋を分けてくださり、今でも新品のまま持っています。何よりも、峰さんの歌を聞いて、私も歌える舞台人になりたいって本当に初めて思ったんです。正直、寂しいお別れを受け入れることができませんでいたが、追悼コンサートでは、今までの感謝を表したいと思っています。

竹山:これからのご活躍を本当に楽しみにしています。

:ありがとうございます。じんわり前進します。そして、変わりゆく時代に添って進化している宝塚歌劇団、頑張っている現役の生徒さんを、ファンの皆様とともに、これから応援していきたいと思います。

<終わり>

◇稔 幸(みのる・こう)
東京都出身。1985年、宝塚歌劇団入団(71期)。愛称は「ノル」。花組公演「愛あれば命は永遠に」で初舞台を踏み、その後は星組に配属。1998年に星組トップスター就任。お披露目公演は「WEST SIDE STORY」。その後「我が愛は山の彼方に」「黄金のファラオ」「風と共に去りぬ」「花の業平」など、宝塚が誇る数々の代表作に出演。サヨナラ公演は2001年「ベルサイユのばら―オスカルとアンドレ編―」。退団後は、俳優や歌手、b-i Style特別講師、ラジオパーソナリティ、振り付け、イベント企画などで幅広く活躍。現在は主にトークショー、コンサートに出演。また、画家やイラストレーター、ガラス工芸作家としても活動している。

○出演情報
「峰さを理追悼チャリティコンサート~愛の旅立ち~」
【日時】7月22日(金)午後5時、23日(土)午後1時/午後5時、29日(金)午後5時
【会場】宝塚バウホール(22、23日)、日本青年館ホール(29日)
シアター・ドラマシティ30周年記念コンサート「Dramatic City“夢”」
【日時】9月9日(金)午後1時/午後6時、10日(土)午後2時、16日(金)午後2時/午後6時、17日(土)午後1時、18日(日)午後1時
【会場】東京建物Brillia Hall(9、10日)、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(16~18日)

(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)

(インタビュアー:竹山 マユミ)

竹山 マユミ(たけやま・まゆみ)

明治大学卒業。広島テレビ放送のアナウンサーを経てフリーアナ、DJとして各テレビ局やラジオ局で番組を担当。コーピングインスティテュート コーピング認定コーチ。宝塚歌劇団は生まれる前から観劇するほどの大ファン。