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農家がやっている 夏野菜の浅漬け ポイントは食感を変えた切り方

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

夏野菜の作り置きおかず

(左から)キュウリとコリンキーの薄切り塩揉み、紫玉ネギのスライス甘酢漬け、ニンジンとズッキーニの千切り甘酢漬け【写真:こばやしなつみ】
(左から)キュウリとコリンキーの薄切り塩揉み、紫玉ネギのスライス甘酢漬け、ニンジンとズッキーニの千切り甘酢漬け【写真:こばやしなつみ】

○塩揉み(浅漬け)
塩揉みに向いている夏野菜……キュウリ、ズッキーニ、コリンキー(サラダカボチャ)など

 材料に塩をかけて揉み、水分を出してしんなりさせる「塩揉み」。シンプルですが、野菜全体のかさを減らすこともでき、たっぷりと食べられます。農家にとってはかなり助かるおかずの一つです。

 上に挙げたような塩揉みに向いている野菜が大量に採れた時にはもちろん作ります。逆に採れない時には、わざとキュウリやズッキーニなどの収穫時期を少し遅らせて通常の1.5倍に大きくしてから収穫して、塩揉みにしたりもします。

 スーパーマーケットや野菜直売スペースで、曲がったキュウリや、信じられない大きさのお化けズッキーニなどを見かけたら買って漬けてみてください。漬けて揉んでしまえば形も大きさも関係なく、おいしく食べられると思います。

【材料】(目安)
・塩揉みに向いている野菜 100g
・塩 1~2g※野菜の重量に対して約1~2%

【用意するもの】
・ボウル大、小 各1つ
・ボウル小に入る大きさの重しとなるもの(缶詰などが使いやすい)

【作り方】
1. 野菜をスライサーで薄切りにして、ボウル大の中に入れる
2. 1に塩を入れて、全体を混ぜ合わせる。その上に、重しの入ったボウル小をのせ、野菜の水気を出す。約5~10分漬けたら野菜の水気を絞り、保存容器に移し冷蔵保存する

【ポイント】
 漬け物石などが家になくても、キッチンにあるものを重しにすると水分がよく出て、水切りもしやすいです。

キュウリ2本とズッキーニ1本の塩揉みの上、ボール小に入れた500gのトマト缶2つをのせている【写真:こばやしなつみ】
キュウリ2本とズッキーニ1本の塩揉みの上、ボール小に入れた500gのトマト缶2つをのせている【写真:こばやしなつみ】

【冷蔵保存期間】(目安)
約2日間

 
○甘酢漬け
甘酢漬けに向いている夏野菜……ミョウガ、紫玉ネギ、ナス、ニンジンなど

 塩揉みと甘酢漬けに向いている野菜は重なるところがありますが、私は酢漬けにすることで色が鮮やかに続くという点で、赤紫系の野菜を甘酢漬けにしています。少量でもサラダの雰囲気を一気に盛り上げてくれるので、なるべく1種類は冷蔵庫に常備しています。

【材料】
甘酢漬けに向いている野菜 適量
お好みの市販の調味酢   適量(もしくは酢、砂糖、塩を混ぜ合わせる)

【用意するもの】
保存容器もしくは保存袋

【作り方】
1. 野菜をスライサーで薄切りにして、保存容器もしくは保存袋などのビニール袋に入れる。切り終えたら、一度水にさらして水を切ると漬け汁が濁りにくい

2. 1に野菜全体がひたひたになるまで酢を加える。混ぜる、もしくは袋の上から揉んだ後に冷蔵保存する

【ポイント】
 野菜を薄く切れば切るほど、漬かるのが早くて便利です。スライサーで1mmほどの厚さにスライスした野菜であれば、漬けた30分後にはおいしく食べ始められます。

【冷蔵保存期間】(目安)
約2日間

(こばやし なつみ)

こばやし なつみ

半農半フリーランスPRプランナー。2009年に大学卒業後、東京のPR会社に就職。PRプランナーとして勤務後、14年に独立。同年、茨城県・水戸の兼業農家へ嫁ぐ。16年9月に茨城県立農業大学校いばらき営農塾(野菜入門コース)を修了、同11月に第1子を出産。現在は少量多品種(年間約30~40種)の野菜を義両親と共に作り、販売する傍ら、平日は執筆、意識調査の設計・分析等の仕事もこなしている。