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タワマン住人の顔ぶれが頻繁に変わる…新婚夫妻の困惑トラブル 未然に防ぐ方法は?

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

購入前の調査で防げたトラブル? チェックポイントは

「今回の問題は、購入する前にきちんと調べていれば防げましたね」

 そう語るのは、不動産の仕事に携わって20年以上のプロ、姉帯さん。自分の部屋以外に、エントランスや眺望といった目立つ部分だけを見て決めるのは、タワマンに限らず危険だそうです。では、どこをどう調べるべきだったのでしょうか?

「1LDKから2DKくらいのシングル向け物件は、投資目的で購入して賃貸に出す人が多いんですよ。2LDK以上の家族向けの物件を狙うと、住んでいる周囲の人が変わります。同じフロアにどれくらいシングル向けの物件があるのかを確認した方がいいですね」

 また、他の目に見えない部分にも細心の注意が必要と続けます。

「どんなマンションにもいえることなのですが、デベロッパーや建設会社が大手だからといって安心はできません。どの物件であっても、予算の関係や下請けの業者に任せていく過程で、防音工事などが二の次にされることもあります。

 近年はあるタワマンで防音や防水、耐火設備の『施工不良』が発覚し、大問題になったという報道もありました。残念なことに、そうしたことがまかり通っているのが、タワマンの現状でもあります。僕もいろいろ見てきましたが、驚くほど作りがひどい物件も本当にあるんですよ。

 住人に関するトラブルを防ぐためにも、購入の際は間取り図を見るだけでなく、購入予定の部屋を何度か時間を変えて見に行き、環境をしっかり調べることが大切だと思います」

 憧れだけでは暮らせないのが、大都市・東京の残酷な一面。大きな買い物だけに、念には念を入れた調査でちょうど良い加減なのかもしれません。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。