仕事・人生
フードロスとラグジュアリーブランドをつなぐ女性リーダー 幼少からの奉仕活動が生んだ華麗なる人脈
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株式会社フードロスバンクの社長として、フードロス問題に正面から取り組んでいる山田早輝子さん。廃棄される規格外品の食材を農家から買い取り、「アルマーニ」や「ブルガリ」といったラグジュアリーブランドのレストランにつなぐなどの事業を展開しています。一方で、食文化の伝統を守り、その発展に寄与する「国際ガストロノミー学会」の会員として、アジア初の「日本ガストロノミー学会」を設立。さらには映画プロデューサーでもあり、国内外の著名人との人脈も築きました。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットライトを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。今回の前編では、山田さんの幼少期から24歳での単身渡米、その後の11年間をお伝えします。
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日本で生まれ育ち、社会人を経て24歳で単身米国留学へ
今年5月11日、山田さんは駐日スペイン大使館で勲章を授与されました。大使のセンダゴルダ閣下から首にかけられたのは、フェリペ6世スペイン王国国王陛下からの「イサベル・ラ・カトリカ勲章のエンコミエンダ章」。受章の理由は、山田さんが2011年に日本ガストロノミー学会を設立した上で、食に関するあらゆる問題について調査研究し、複数の非営利団体や企業のアドバイザーを務めるなどした活動が評価されたものでした。
式典で山田さんは、「身の引き締まる思いでございます。この賞は私1人の栄誉ではなく、多くの皆様に支えられてのおかげと心より感謝いたしております」などと挨拶。著名人も含めた招待客から、祝福の拍手を受けました。
文字通りの“輝く女性リーダー”ですが、山田さんは一つひとつの出会いを大切にし、今に至っています。会社経営者の家庭に生まれ、初等科(小学校)から聖心女子学院で学び、聖心女子大学文学部英文科に進学。幼少期から、はっきりと意見を言うタイプだったそうです。
「よく帰国子女っぽいねって言われます。『これは違う』と思ったら、面と向かって言ってしまいますし(笑)。でも、大学卒業までは留学することもなく、新卒採用で就職もしました」
事務職で採用された住友商事では、機電部門で2年間勤務。そして、「英語をもっと学びたい。国際性も身につけたい」と思い、退職後の2000年に24歳で米国へ単身留学しました。
「暮らし始めたのは、西海岸のサンディエゴのラホヤです。大学付属の語学学校に入り、英語を学ぶところから始めました。英文科を卒業したとはいえ、スムーズに会話できるレベルにはなかったので、『日本語は話さない』と決めていました。単身で行ったので苦労もしましたが、上位のクラスに入ってからは、大学の授業も聴講できるようになって、現地の学生とふれあう機会も多くなりました」
語学学校の2年間で英語力をつけた山田さん。帰国して再就職も頭にあったそうですが、大きな慈善活動に誘われたことで米国滞在の継続を決意しました。