仕事・人生
東京を離れて徳島の学校へ 親子で滞在するデュアルスクール 実感できるメリットとは
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「子どもにとっての将来の選択肢がまだまだあるんだと実感しました」
徳島県のウェブサイトでは、デュアルスクールが児童・生徒にもたらす効果として「地方と都市双方での生活を体験することによる多様な価値観の醸成」を挙げています。杉浦さんの息子さんも、こうした効果を得られたようです。
「徳島にいる間の息子には、東京で生活している時よりも“働く大人”を間近で見る機会が多くありました。例えば、登校中に目にする漁港で働く女性といった人たち。また美波町では、朝は漁師、夜は居酒屋経営など、いわゆる“パラレルワーカー”にも多く出会いましたね」
こうした人たちとの出会いは、杉浦さんが“我が子のキャリア形成”に対する意識を新たにするきっかけにもなりました。
「私は子どもに将来の選択肢を多く用意しているつもりでしたが、まだまだいっぱいあるんだと実感しましたね。なので、息子が成長していく中で将来、“他の選択肢を知らない・選べない”という状況になっていたら親として苦しいなって。もし、働き方を他にも知っていたら、つらい状況になっても『道を変える』くらいの感覚でそれを選べるでしょう。そういう考えで仕事をしてもらってもいいと思っているんです」
また、普段の生活も貴重な学びの場に。杉浦さん親子が美波町で滞在していたのは、「戎邸」と呼ばれる改装された2階建ての古民家。その1階は8人ほどを収容できる会議スペースがある仕事場だったため、必然的に来客が多かったそうです。
「お客さんを呼ぶというシーンがないと教えてあげられないことってありますよね。お茶を運ぶとか挨拶とか。自分たちがお客さんを受け入れることで、他人の家に行った際のマナーも自然と身につくわけです。この他に、息子もよく学校から友達を連れて帰り、おやつを食べながら一緒に宿題をしたり遊んだりしていました。自分が子ども時代にできていたことを我が子も体験する機会が提供できて良かったです」