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仕事・人生

「日本の食品廃棄は独特」 日本人女性が取り組むフードロス解消のための信念とは

著者:柳田 通斉

株式会社フードロスバンク社長の山田早輝子さん【写真:荒川祐史】
株式会社フードロスバンク社長の山田早輝子さん【写真:荒川祐史】

 株式会社フードロスバンクの社長として、フードロス問題に正面から取り組んでいる山田早輝子さん。廃棄される規格外品の食材を農家から買い取り、「アルマーニ」や「ブルガリ」といったラグジュアリーブランドのレストランにつなぐなどの事業を展開しています。一方で、食文化の伝統を守り、その発展に寄与する「国際ガストロノミー学会」の会員として、アジア初の「日本ガストロノミー学会」を設立。さらには映画プロデューサーでもあり、国内外の著名人との人脈も築きました。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットライトを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。山田さんの幼少期から24歳での単身渡米、その後の11年間をお伝えした前編に続き、今回の後編は山田さんの社会課題に向かう姿勢と信念に迫ります。

 ◇ ◇ ◇

コロナ禍がきっかけでフードロスに取り組む会社を設立

 山田さんは24歳で米国に単身留学。英語力と国際性を身に付けて帰国するつもりが、誘われた慈善活動に取り組む中でさまざまな出会いがあり、映画プロデューサーとしても活動しました。滞在は11年になりましたが、英国人男性との出会いを機に米国を一度離れ、英国、シンガポールで暮らすように。2012年には第1子の男児を出産。パートナーの男性は世界中を飛び回る実業家でしたが、肺がんを患って療養を余儀なくされました。

「がんが見つかった時点でステージ4でした。そして、彼は約2年間の闘病の末に残念ながら亡くなりました」

 母1人、子1人。山田さんは日本で子育てをしながら、「社会課題に取り組む株式会社を設立する」と決意しました。

「さまざまな非営利団体とご一緒させていただきましたが、これからは、企業成長と環境問題、社会問題の解決を同時にしていく仕組みを作ることが大事だと思いました。無論、非営利の方が良い形態の場合も多々あります。しかし、サステナビリティ(持続可能性)をサステナブル(持続可能な)にしていくために、第一生産者さんにも利益が出るように、明確に株式会社を始めたかった思いもありました。

 それは、事業を持続的に続けていく上で取引をしていく相手側の方々とも、より現実的に社会課題の解決に取り組んでいけると思ったからです」

 そして、20年にフードロスバンクを設立しました。かつてクリスチャン・ディオールで広報を担当し、ファッション、グルメ、ライフスタイルなどのPRを手がけてきた友人の杉山絵美氏にサステナビリティの大切さを説明。最初に共に取り組んだのが、フードロス問題です。

「世界で新型コロナウイルス感染が拡大し、飲食店だけでなく、生産者も大変な状況になってきました。それに関連することを調べていく中で、フードロスの問題を解決していくことが重要と考えました」

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