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自然は生きるために“共存”している 米在住日本人女性が夏休みの旅で知った深い真理

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

レッドウッドの木々の間から差し込む朝日【写真:小田島勢子】
レッドウッドの木々の間から差し込む朝日【写真:小田島勢子】

 米ロサンゼルスの片田舎から食を始めとした「暮らし」の情報発信を行っている小田島勢子さん。勢子さんは先日、家族でカリフォルニア州内の広大な公園群へキャンプに出かけました。大自然の中で過ごした時間は、それまでの考えが大きく変わる貴重な学びの機会となったようです。そんな勢子さんが綴る連載エッセイ、今回のテーマは「自然の共存」です。

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家族の恒例行事“国立公園の旅” 今年は「レッドウッド国立州立公園」へ

 毎年子どもたちの夏休みに合わせて出かける“国立公園の旅”。今年はカリフォルニア州北西部に位置する「レッドウッド国立州立公園」へキャンプに行きました。

 レッドウッドとはセコイア(ヒノキ科セコイア属の常緑針葉樹)の一種で、高さが100メートル以上に達する世界有数の大高木。同公園は、世界のレッドウッドのおよそ半分を保護している公園群です。この自然豊かな森で群生するレッドウッドの平均樹齢は500~700年とされていますが、中には2000年と推定されている巨木も現存しているそう。きっと長い年月にわたって、この土地で暮らす動物や人々、地球環境の移ろいを眺め続けてきたことでしょう。

 公園内の森に足を踏み入れると、天に向かってそびえ立つ巨大な木々の他に、清流の脇に生える大きなシダ植物や木の実を集めるシマリスの姿が目に留まります。さらに、鳥のさえずりが森の中で響き渡り、時折吹き抜ける湿った風が肌を撫で、木や土の香りを届けてくれます。五感で大自然を感じる中、「この森は生きている」と思わずにはいられませんでした。

 ただそれ以上に、今回の旅は「自然の共存」を深く知るチャンスに恵まれたものだったのです。そのことについて詳しくお伝えしたいと思います。