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自然は生きるために“共存”している 米在住日本人女性が夏休みの旅で知った深い真理

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

森の木や植物たちは“共存”している 案内人からの印象的な話

「レッドウッド国立州立公園」の地で生まれ育った彼からの言葉は心地よく胸に届いた【写真:小田島勢子】
「レッドウッド国立州立公園」の地で生まれ育った彼からの言葉は心地よく胸に届いた【写真:小田島勢子】

「レッドウッド国立州立公園」までは、車で約12時間の長旅でした。ロサンゼルス郊外にある我が家からひたすら北上し、途中アーモンドやピスタチオ畑が広がるセントラルバレー(中央カリフォルニア)を抜け、海岸線を走るフリーウェイに乗り換え。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを渡ります。

 しばらく海沿いを走るとソノマカウンティのブドウ畑が。数々のワイナリーやブドウ畑の丘を越えると、辺りの風景はだんだんと深い森に包まれていきます。

「レッドウッド国立州立公園」へ車で向かう道中、立ち寄った休憩所で1人の男性と出会いました。同地の森で生まれ育ったという彼。青年期にいったんは軍でエンジニアとして働いていましたが、その後この土地に戻ってきました。現在はこの地を訪れた家族や子どもたちが楽しむためのトロッコ電車を運転しながら森の中へ入り、森の歴史や生態系を紹介する案内役を務めています。トロッコ電車の運転中、彼は心に届く印象的な話をしてくれました。

「多くの人はこの森の木や植物たちが水や土地、光を求めて“生存競争”をしていると思っているんじゃないだろうか。実はそうではないことがだんだんと研究で分かってきたんだよ。木やコケ、キノコは互いにコミュニケーションを取り、助け合いながら“共存”しているんだ」

 例えば、冒頭で触れたレッドウッドの大木。高さは100メートルを優に越え、堂々たる姿でそびえ立っていますが、彼は「この木が独力で立っているならば、あっという間に嵐や雷で倒される」と言うのです。レッドウッドそのものの力だけでは、大きな体を支えることも、その体に十分な栄養を送ることもできないのだとか。

 というのも、レッドウッドは100メートルもの体に対し、根の深さが1~2メートルしかありません。そこで、根を横へ横へと長く伸ばすことで生存のための活路を見出したようなのです。

「私たちから見えない土の中で、レッドウッドは根を網の目のように縦横無尽に張りめぐらせ、同種だけでなく異種の木々とも手と手(根と根)を取り合って、体を支え合っているんだ」