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子どもに十分な休みと遊びを ドイツ在住日本人サッカー監督が語る“超回復”理論とは
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「子どもたちが自分たちの時間を持つのは、本当にかけがえのないこと」
親交のある「SCフライブルク」の育成アカデミーでディレクターを務めるアンドレアス・シュタイエルトさんが、以前こんなことを語ってくれました。SCフライブルクはドイツにあるプロサッカークラブの中でも、育成において極めて高く評価されているクラブです。
「夏休みのように長期間十分な休みを取ると、子どもたちはぐっと成長するんだ。それは体が大きくなるというフィジカル的なことだけではなくて、心を解放して過ごせる時間が持てるから、気持ちがとてもゆったりしてくるんだね。それが大切なんだ。ストレスなく家族や友達と過ごす時間をたくさん持つことで、それが好奇心や自己肯定感、学習意欲にもつながっていきます」
続けてこうも話してくれました。「でもそういう要素を与える以前に、子どもたちが自分たちの時間を持つというのは、本当にかけがえのないことなんだよ。こればかりは後で取り返すことができないんだから、僕ら大人はそれを守ってあげなければならない」
グッとくる言葉です。やはり子どもたちの成長は短期的ではなく、長期的な視野で見守っていきたいですね。
(中野 吉之伴)
中野 吉之伴(なかの・きちのすけ)
ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。同国での指導歴は20年以上。「SCフライブルク」U-15(15歳以下)チームで研修を積み、さまざまな年代とカテゴリーで監督を務める。執筆では現場経験を生かした論理的分析を得意とし、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ サッカー年代別トレーニングの教科書」(カンゼン刊)、「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする 自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド」(ナツメ社刊)がある。ウェブマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。