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仕事・人生

「猫のダヤン」の池田あきこさん 60歳で始めたライフワーク 熱帯雨林を買い取る理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

3回目のダヤンの森購入に向け募金活動を継続中

2018年から3回目の購入に向けて募金活動を継続【画像提供:株式会社わちふぃーるど】
2018年から3回目の購入に向けて募金活動を継続【画像提供:株式会社わちふぃーるど】

 こうして開始したチャリティオークションや募金箱設置、チャリティ対象グッズの販売などが実を結び、2012年6月に最初の「ダヤンの森」購入が実現します。その広さは2.68ヘクタールで、東京ドーム(建築面積が約4.67ヘクタール)の半分強ほど。日本の約1.9倍もの面積があるボルネオ島にとっては猫の額ほどの大きさですが、確かな一歩になりました。

 そして、2014年目には2回目の購入。現在は3回目の購入に向けて募金活動を続けています。

「まずはもっとみんなに知ってほしいと思っているの。ボルネオ島の熱帯雨林は毎年、静岡県ほどの大きさがつぶされていっています。パーム油はとても安くて性能が良く、日本でもたくさん輸入しているの。でも、もちろん自然に悪いからといって、パーム油を使っているものを食べたり使ったりしちゃダメということではありません。関心を持って、知識として頭の中に置いておいてほしいなと思います」

刻々と変わる世界情勢 今後の目標は

ボルネオ島を特集した雑誌「MOE」を開く池田さん【写真:Hint-Pot編集部】
ボルネオ島を特集した雑誌「MOE」を開く池田さん【写真:Hint-Pot編集部】

 しかし、コロナ禍の影響やボルネオ島の地価の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻など変動し続ける世界情勢により、活動のハードルは年々上がっているそう。

「活動を始めた頃は1畳200円程度だった地価が、現在は400円程度と倍増しています。自分たちが使わない土地を買い続けるのは大変なこと。でも、私たちのような規模の会社でもできるんだということを多くの人に知ってもらい、もっと大きな企業などが参加してくれるといいなと思いますね」

 今では池田さんのライフワークになっているこのプロジェクトも、今年で12年目。募金は全国巡回中の「池田あきこ原画展」を中心に募集を続けています。

◇池田あきこ(いけだ・あきこ)
絵本作家。1950年、東京都吉祥寺生まれ。1983年、自由が丘でメーカーのシンボルとして「猫のダヤン」を描く。1987年より不思議な国わちふぃーるどを舞台に絵本を描き始め、画集、長編物語、また旅のスケッチ紀行など多方面で作品を発表していく。出版書籍は100タイトルを超える。「猫のダヤン35周年 ダヤンとふしぎな劇場 池田あきこ原画展」が全国巡回中。また、原画作品は河口湖・木ノ花美術館にて常設展示されている。

(Hint-Pot編集部)