仕事・人生
元宝塚娘役トップ月影瞳さん 轟 悠さんを「いつまでも尊敬できる」理由と深い思い
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インタビュアー:竹山 マユミ
自身の美学を貫いた轟 悠さんの最後の公演
竹山:轟さんの退団公演はどのような思いでご覧になりましたか。
月影:私は、大阪と東京、両方観させていただきました。どちらも完璧な、いつもの轟さんでした。20年前、私が退団する時は雪組でサヨナラショーをさせていただいたのですが、轟さんは、自分が去る時は通常の千秋楽のようにしたいとおっしゃっていたので、サヨナラショーはないだろうと思っていました。
竹山:轟さんのことをよく知っていた方は、轟さんらしさを受け止めたのですね。私は少しだけでも何か語ってくださるのかなと、ちょっと思ったりしてしまいました。
月影:舞台の世界観を壊さずに、一つの作品を完璧に仕上げるという轟さんの美学を貫いたものだと思います。私たちはその作品の世界観を楽しみ、拍手でお見送りしました。
轟さんは、ご自分のことよりも、周囲の人たちを大切にする方です。自分が何かしてもらうことよりも、とにかく完璧な作品を作りたいという一途な気持ちが強い方だと思います。観に来ていただいて本当にありがとうございます、というお気持ちだけなのですよね。本当に舞台人としても、人としても、とても尊敬しています。
竹山:そんな轟さんをはじめとする、さまざまな出会いが、月影さんの人生に大きな影響を与えたのですね。
月影:私を導いてくれた小嶋希恵先生、支えてくれた家族、高校の先生、友人、同期、1作ながら勉強させていただいた麻路さきさん、そして轟 悠さん……。今が楽しい、幸せと思えるのは、そうした方々に支えていただけたからだと思っています。