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卵から考える「アニマルウェルフェア」 米在住日本人が現地スーパーで身近に感じた食材の選択

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

ロサンゼルスのスーパー 卵の陳列は飼育の方法で分ける

大きなものから順に七面鳥、アヒル、鶏、ウズラ。すべて友人の牧場からのいただきもの【写真:小田島勢子】
大きなものから順に七面鳥、アヒル、鶏、ウズラ。すべて友人の牧場からのいただきもの【写真:小田島勢子】

 そんな時は、スーパーマーケット(週末にはファーマーズマーケット)などで卵を購入します。日本と同様に、スーパーの冷蔵の棚にずらりと並ぶのが一般的です。しかし、その陳列は、色や大きさの種類の違いではなく、飼育の方法で分けているのが、ここロサンゼルスで多く見かける光景です。

 同じブランドの卵でも、鶏がケージ飼いか、平飼いか、または放牧飼いされているのか、そしてそれがオーガニック(飼料がオーガニックなだけでなく、土地や育て方までオーガニックの規定があります)なのかそうでないか、という分け方で陳列され販売されているのです。

 簡単に、それぞれの種類を説明していきたいと思います。

1. ケージ飼い(バタリーケージ)
 鶏と排泄物との接触が少なく衛生的で、個体管理がしやすいとされています。しかし、小さなカゴの中で生活するため、太陽の光を浴びることなく、羽を広げることもできない状態で過ごします。

2. 平飼い(ケージフリー)
 主に大きな鶏小屋の中で飼育されている状態で、カゴには入れられていませんが、大抵の場合、大勢の鶏たちが小屋の中で所狭しと詰められた状態で太陽の光を浴びず過ごすといわれています。(オーガニック指定以外)

3. 平飼い(フリーレンジ)
 同じ平飼いでも、こちらは外へのアクセスがあり、太陽の光を浴びることができますが、現状は何時間という決まりが定められていません。そのため、実際に外へ出られる時間は飼育の方針や環境によって違います。

4. 放牧飼い(パスチャードレイズ)
 日中は外で放し飼い、夜になると小屋の中で寝る環境の飼育方法で、鶏たちにとって一番ストレスフリーな状態。

 大きく分けてこの4種類の卵は、大抵ロサンゼルス近郊のスーパーで選ぶことができ、それ以外の有精卵やアヒルの卵など特別なものはファーマーズマーケットで農家さんたちが販売しています。値段もそれぞれ違い、大抵の場合、1から4の順で販売価格が上がります。