どうぶつ
【看板猫】愛犬の死を乗り越えて 信頼できる保護ねこ団体との運命の出会い
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「人とねこに歴史あり」。一人ひとりに人生があるように、それに関わるねこにもまた、命があります。元保護ねこ「キャスパー」と、その飼い主「愛」さんの歩みを3回に渡ってご紹介します。
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愛犬との別れ 息子さんの想い
閉店後のとあるお店。一匹のねこがまあるい目をキラキラさせて見上げてきます。
東急田園都市線あざみ野駅からバスで6分。美しい木々が立ち並ぶ大通り沿いに、ぱっと目をひく一軒の花屋。花と雑貨のお店「Atelier Ai(アトリエアイ)」です。
オーナーの愛さんが飼う「キャスパー」は2歳の元保護ねこ。キャスパーと愛さんとの出会いは2年前の夏でした。
愛さんは、キャスパーに出会う前、“マロ”というダックスフンドを飼っていました。愛さんの息子こたろうくんが小さい時から飼っていた老犬で、よく店内をウロウロ歩き回っていたそうです。でも、4年ほど前に亡くなってしまいました……。
「自分のなかの犬=マロだから……」
そう話すこたろうくんは、今でも毎日写真に向かって話しかけているといいます。愛さんは、そんな息子さんの想いを大事にしていました。
でもねこなら……。愛さんはねこを飼いたい気持ちを、素直に息子さんに伝えました。
「実は息子はもともとねこが苦手で。でも、うちに来た子ならきっとみんなかわいいから、飼ってみようかなって。選ばなかった子がかわいそうだから色も性別も選べないっていうような息子なので。ママが決めたらいいって言ってましたね」
当時を振り返りながら、愛さんは目を細めます。
なんて優しい心を持つ男の子……!こうした息子が母を、母が息子をお互いにおもいやる気持ちが、キャスパーとの出会いにつながっていきました。